ミラーマン特集の第3回、今回は番組終盤から最終回までの中から面白かったものをセレクト!ウルトラセブンもそうでしたが、最終回が近づくと子供向けとは思えない話がチラホラと混ざってくるのは、「どうせもう終わるんだから、視聴率の事を気にせずにいい脚本を書いてやろう」という脚本家の矜持なのでしょうか(^^)。
■第32話:今救え!死の海 海の水が円形に引く特撮表現がすごい!特撮がすごいというより、
こういう構図を描くアイデアとデザインセンスが素晴らしいです。見事な特撮の多いミラーマンの中でも1~2を争うシーンではないでしょうか?!
■第34~35話:S.G.M対ミラーマンの決闘/S.G.M特攻作戦 ミラーマン後半の名作回です!インベーダーの策略によってSGMとミラーマンが戦う羽目となります。ミラーマンはインベーダーの基地と確信してとある団地に攻撃を加え、自衛隊やSGMはミラーマンが人間を攻撃していると思ってミラーマンを攻撃。負傷したミラーマンを怪獣が襲い、ミラーマンは心肺停止となります。ミラーマンを倒してしまったSGMの藤本隊員は責任を感じ、死を覚悟で怪獣に特攻をかけます。

この話には
ミラーマンが地下工場に収容される特撮シーンがあるんですが、この映像が素晴らしいです!人間の横にミラーマンが横たわっていると、その巨大さが伝わりやすくて、子供の頃はその映像表現に感動していました。また、地割れが起きて人々が飲み込まれる特撮も見事!円谷特撮班の大道具さん、いい仕事してるなあ。
ドラマも熱く、
ミラーマンを殺してしまった自責の念に苦しむ藤本隊員の演技が見事。特攻自殺するつもりで戦闘機で怪獣に突っ込んでいくのですが、その時に人生を振り返るように歌を歌い、他の人たちに別れの挨拶をして自爆特攻していくのです。自殺の直前に歌を歌うって、映画
『仁義なき戦い 広島死闘編』のラストがこうでしたが、その心情って分かる気がするんですよね…ウルッと来てしまいました。
音楽の使い方も素晴らしくて、ミラーマンが瀕死の重傷を受けながらも戦うシーンではミラーマン後半回のエンディングテーマのインスト(これが悲壮感あるいい曲!)、息を吹き返すシーンではミサ曲。
冬木透さん、子供番組だと思って手抜き作曲するとかは一切してないです、素晴らしい!
■第44話:魔の救出大作戦 UFOがマンションに突き刺さって、いつ落ちるかドキドキ。なんだこれ(^^;)。。マンションの中に残された人を救うという『ポセイドン・アドベンチャー』をパロディ化したようなパニックドラマでした。たったそれだけなんですが、これが面白いんです。UFOがマンションに突き刺さっている絵が笑えると同時によく出来ていて、何やってんだと思いつつ、何回見ても面白くて好きな話でもあるのです(^^)。
■第46話:死都に愛の鐘が鳴る 地球人を好きになったインベーダーの若い女性が、仲間から命を狙われます。インベーダーに襲われた彼女の命はあと数日、しかし彼女はその事実を知りません。地球を救おうとする彼女は死に、怒りと悲しみに震える京太郎。そして彼女が首にかけていた十字架のペンダントの光でミラーマンに変身し…
ミラーマン版「盗まれたウルトラアイ」という感じの、なかなか悲しい話でした。撮影場所は代々木か駒沢のオリンピック公園でしょうか。あんなに素晴らしい建物で、まだまだ十分使えたのに、来年の東京オリンピックのためにぶっ壊してしまいましたね。2度目の東京オリンピックですが、最初の約束と全然違う金が税金から支払われ、自分の利益しか考えずに汚い事をやりまくって利権に群がる人たちで東京はボロボロ。2020年の東京オリンピックは、安くできると言っていた当初の予算の7倍の8000億円になり、さらに現時点では3兆円になっているという…この金、オリンピック終了後もずっと税金として都民なり国民なりに重くのしかかるんですよね…マジでむかつく、今の日本は南米並みの汚職腐敗国家になっていると思います。それなのに、悪い奴らのみならず、この問題を追及しきらないマスコミも、そんな事やってる政治家をまた当選させる市民も馬鹿すぎます。みんなミラーナイフでポアされればいいのに。
■第50~51話:地球最後の日/さよならミラーマン いよいよミラーマン最終回!ミラーマンを観た事がない方は、第1話とこの最終回前後編だけでも見て欲しい!
インベーダーが自分たちの惑星を地球にぶつける計画を立て、これがインベーダーとの最後の決戦となります。この戦いが終わればミラーマンとしてではなく地球人として生きていけると張り切る京太郎。しかしSGM隊員はインベーダーにコントロールされ、京太郎は変身する瞬間を御手洗博士の娘の朝子に見られてしまいます。京太郎に思いを寄せていた朝子は大ショックで言葉も出ません。また、ミラーマンであることを知られ、ひとりの人間として生きてゆく道の絶たれた京太郎は、正体を知られた事と怪獣との戦いの2重のショックで意識を失って卒倒します。
地球最後の日を迎え、最後の戦いに向かおうとするミラーマンですが、京太郎の身を案じた朝子は、鏡の前に立ちふさがって変身を阻止しようとします。鏡の前からどこうとしない朝子の頬を張って、京太郎は朝子をどかします。「朝子さん、僕は地球の危機を救う使命をもってこの世に生まれたミラーマンだ。
僕の命は初めからこの地球に捧げられているんだよ。」泣き崩れる朝子の前で、鏡の中に消えて行く京太郎。かろうじて勝利するミラーマンですが、怪獣の爆発と共に姿を消します。ようやく地球に平和が訪れますが、インベーダーに破壊されたままの二次元の世界の再建に京太郎は狩り出されます。京太郎は、ようやくふたりで生きていけると思った朝子に「君の事は永遠に忘れないよ」と別れを告げ、夕日の中に消えて地球を去ります。
この最終回を素晴らしいものにしている最大の理由は、体を震わせて恋人の命を守ろうとする朝子の演技と思いました。子供の頃にこんな渾身の演技を見せてもらえて、僕は幸せだったんだなあ。だって、こういうものを見て、怪獣対ヒーローではなく人間ドラマに引きつけられていったんでしょうからね。最後の変身を決意する京太郎のセリフも、石田さんの俳優人生のクライマックスとなる名台詞だったのではないかと思います。ウルトラセブン最終回に匹敵するほどの感動的な名作で、子供の頃の僕は大感動でした。
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僕にとってのミラーマンは、幼少時に夢中になって観た無数の特撮ヒーロー番組の中でも、ウルトラセブンと1~2を争う超名作。テレビの前で魅了され続ける日々でした。自分がいくつになっても、ウルトラセブンとミラーマンの興奮と感動は忘れないんでしょうね。そこまで人の心をひきつける名作をひとつでも残す事が出来たのなら、映画人として素晴らしい人生だったと言えるのではないでしょうか。石田さんが夕日に照らされたミラーマンのラストシーンを演じたのなんてついこの前の事だと思うのですが、その石田さんがもうこの世にいないなんて信じられない、人の一生なんてうたかたの夢ですね。あらためて、生涯俳優で人生を終えた石田信之さんのご冥福をお祈りします。
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