
こちらはAUVIDIS というレーベルが作ったであろう
ポルトガルの伝統音楽のCDです。いつも思うのですが、このレーベルが作ったCDには「UNESCO COLLECTION」と書かれていて、あのユネスコのギリシャ神殿みたいなロゴが入ってるんですが、ユネスコお墨付きなのかな、それともユネスコ自体が作ってるレーベルなのかな…。このCDには、大まかに4つに分かれていました。ひとつは、ポルトガル中部内陸のベイラ・バイシャ県の音楽、ひとつは南部内陸のアレンテージョ県の音楽、ひとつは北部ドウロ河沿岸のドウロ・リトラル県の音楽、ひとつはリスボンのファドです。
ベイラ・バイシャ県の音楽は、子どもの合唱が3曲入ってました。机か何かを手で叩きながら、楽しげに歌っていました。
子どもの歌って、どの地域でも楽しげなものが多くていいですね(^^)。それでいて、「お?今は表?裏?」みたいに、聴いているこちらが混乱しているのに、歌ってる子どもたちはだれも間違えない…地域音楽、恐るべしです(^^)。子どもの歌から離れると、子守歌、そして宗教性の強そうな歌。詳しくは分からないんですが、「聖ヨハネ」とか「煉獄の魂に」「クリスマスの歌」なんてタイトルなので、なるほどキリスト教圏だけど、プロテスタントの教会音楽とも、カソリックの音楽とも、東方正教会とも違う、自分たちの手作りのような温かさを感じる音楽でした。
南部内陸の
アレンテージョ県の音楽は1曲だけ、「アウローラに男の子が生まれた」という曲でした。男声合唱で、音楽の雰囲気は日本の寮歌にそっくり。これも宗教的な内容なのかな、誠実で清らかな感じで、ちょっとジンと来てしまいました。。
北部ドウロ河沿岸の
ドウロ・リトラル県の音楽は、(多分)舞踊音楽、宗教曲、ワークソングの3つが入ってました。舞踊音楽(?)はリュート属の楽器、フィドル族の楽器、打楽器を合奏で使って、みんなで歌う楽しげな音楽でした。やっぱ祭りだよね、人に必要なのは(^^)。宗教家はベイラ・バイシャ県のもののように、他のヨーロッパのキリスト教音楽とはかなり違うな、と思いました。無伴奏というところは東方正教会系と同じだけど、あんなに荘厳で静謐な感じじゃなくて、あったかさを感じました。
そして、
ファドです。これだけが、このCDに入っていた、お金をもらって人に聴かせるプロ音楽家の音楽かな?でも、企業がお金を出して大量生産される音楽という感じは全然しなくて、ポルトガルの文化の中に綺麗に溶け込んでる感じがして、そこが良かったです!ファドって、中南米の音楽(特にブラジル北部の音楽)に近いものを感じますが、これって大航海時代の時からの海洋貿易で音楽が海を渡っていったという事なんでしょうね(^^)。
というわけで、これはCD1枚でポルトガルの色んな地域の色んな音楽を聴くことが出来るとっても良いCDでした!ファドも良かったけど、子どもの歌も、あったかみのある宗教曲も、みんな良かったです。
イベリア半島の田舎町に滞在した気分になれました(^^)。
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