
僕が
ポルトガル音楽と言って最初に思いつくのは、やっぱりファドの女王
アマリア・ロドリゲスです(^^)。太平洋に開けたポルトガルの古い音楽で、短調系で切ない曲想をうたうので、何となく「海に出て行った船員の彼を待っている女の歌」みたいなイメージをしちゃうんですが(^^;)、Wikiで調べると「それは先入観で、ファドには明るい曲もいっぱいある」ときっぱりと否定されていました(^^;)。
数あるアマリアさんのベスト盤からこれを選んだ理由は、CD1枚に18曲も入っていた事、録音が1952年から70年までと広範囲だったこと、そしてブックレットがまあまあ厚かったからでした。ジャケットデザインも良かったですしね(^^)。で、帰ってブックレットを開けてみると…おお!英語とポルトガル語のバイリンガルで解説が丁寧!録音も音楽もいい!これにして正解でした(^^)。
で、聴いて思った事は…Wikiは否定していたけど、やっぱり短調系の切ない音楽が多かった(^^;)。楽し気な民族舞曲っぽいものも入ってましたが、やっぱり
全体的にウェット。伴奏陣はだいたい2~3人の撥弦楽器だけで、メロディ楽器はマンドリンみたいな低音のない複弦楽器みたいな音なので、これだけで「あ、ファドだな、ヨーロッパの港町の哀愁を感じるぞ…」みたいな。
古典タンゴもそうですが、大西洋の交易の歴史から生まれた民間音楽にもの悲しいものが多いのは、やっぱり男と女が離れる事が多い港町独特の情緒なんでしょうか。これが古い海洋小説を読んでいるような独特の雰囲気で、「いいなあ…」と毎度のように感じてしまいます。この音楽にアイデンティティを感じる事はないんですが
、異国情緒というか、こういう世界があるんだと惹きつけられてしまう、みたいな。
驚いたのは、50年代の録音も70年の録音も、音質にも音楽にも差を感じなかった事でした。これと同時代の音楽でいうと、ビートルズですら、音質も音楽も数年でどんどん変わっていったじゃないですか。ジャズだって52年と70年では相当に変わりました。ところがアマリアさんのファドは変わりません。つまり、ずっと一貫してこういう独特の民族感情を感じるような歌を歌い続けていた、という事なのかも。音質が50年でも良いのは、アコースティック楽器だからなんでしょうね。エレキ楽器の50年代録音のショボさと言ったら目も当てられないですし(^^;)。
アマリア・ロドリゲスのベスト盤は、他の物を前に紹介したことがありますが、つまり僕はベスト盤より先に踏み込めてないニワカ (^^;)>。聴くたびにすごく良いと感じるけど、深入りしたくても分からなくて踏み込めない感じ。このへんはシャンソンのジュリエット・グレコなんかと同じで、踏み込んでいったら間違いなくのめり込むんだろうけど、どうのめり込んでいいか分からず、またのめり込んでいる時間も金も自分にはない、という感じなのかも。というわけで、僕はアマリア・ロドリゲスはベスト盤にお世話になっている状態なのでした(^^)。僕みたいなニワカの人には
、ファドやアマリア・ロドリゲスと言ったらとりあえず最初の一枚としてこれを聴いておけば、解説もすごく詳しいし録音もいいし、最適の一枚ではないかと!
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