
60年代初頭のイギリスって、
ビートルズを筆頭に、マージービートと呼ばれる音楽を演奏するバンドがいっぱいあったじゃないですか。でもビートルズの音楽でも「マージ―ビート」って言葉がしっくりくるのは「Please Please Me」あたりを演奏していた初期だけで、「Taxman」あたりからは、マージ―ビートって感じがしません。どこで分かれるかというと、エレキギターが安っぽい音でチャカチャカ鳴っていて、1曲2~3分で一気に勝負をつけてくれないとマージ―ビートじゃないな、みたいな(^^)。
僕のこの勝手な定義によると、いかにもマージ―ビートというバンドは、ビートルズ、サーチャーズ、ゾンビーズ、ホリーズあたり。ここにもうちょっと黒さが入る
ローリング・ストーンズや
アニマルズは、マージ―ビートと呼びたくなくて、R&Bバンドかな、みたいな。でもって、
「エレキギターがチャカチャカ鳴りつつR&Bじゃない」というこのマージ―ビートの定義にハマる一番の名盤は何かというと、僕的にはゼムのファーストアルバムと、1964年発表のキンクスのデビューアルバムなのです!この2枚のカッコよさは別格、「マージ―ビートなんて古臭くて聞いてられないぜ」という人も、ぜひこの2枚だけは聴いていただきたいのです!この2枚でダメなら、僕も諦めます(^^;)。
1曲目
「Beautiful Delilah」、ギターがチャカチャカした音をしていないとこのビート感は出せないというカッコよさ!オリジナルのチャック・ベリーより断然カッコよくて、マージービートを前提にしないとこのカッコよさは成立しないと思えてしまうほど。それにしても、ドラムとギターがめっちゃタイトでうまい、初期のビートルズやストーンズを聴く気が失せるほどのうまさです。
2曲目以降も素晴らしくて、サビ頭の2曲目「So Mystifying」のハモのキャッチーさと、その後ろのギターのリフのクセになるカッコよさは尋常でない。A面最後の
「You Really Got Me」の抜群のカッコよさは、今さら僕が説明するまでもないほど。そのインスト版のような「Revenge」も、マージ―ビートの楽器編成でないと出せなかっただろうビート感と病みつきになるリフで、本当にしびれる…いや~、マジでアルバム1枚通して素晴らしいんですよ!!
さて、キンクスのデビュー作の何がこんなにカッコいいのかを僕的に要約すると、ビートやリズムパターンを活かした曲がいい事と、演奏が当時のバンドにしては異常にうまい事のふたつ。特に、ギターとドラムは特質ものの素晴らしさです。でもちょっと不思議なのは、キンクスって、70年代あたりのアルバムを聴くと、演奏がものすごい下手なんですよ。一体これはどういう事だ…と思ったら、
ドラムはボビー・グラハムなのか、そりゃそうですよね、このうまさはカレッジバンドに出せるとは思えないですもんね。ほかにも、
曲によってジョン・ロードやジミー・ペイジなんかも参加していた模様。そりゃいい演奏のアルバムになるわけですね。僕的マージ―ビートの代表アルバム、大好きです!!
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