
こちらは
カラヤン&ベルリンフィルによるワーグナー
「トリスタンとイゾルデ」です。1971~2年録音で、ショルティ&ウィーンフィルより10年以上後の録音です。カラヤンって、たしかほかのオケでも「トリスタンとイゾルデ」を録音してましたよね。
ショルティ&ウィーンフィルは存在感があって太い音でしたが、こちらは
音に透明感があってきれい、これは全く別物としてゾクッと来ました。レーベルがEMIなのでちょっと怖かったんですが(EMI のクラシックはひどい音のものをつかまされたことがけっこうある^^;)、S/Nはいまいちだったけど、それ以外は音がむっちゃくちゃクリア!これはすごい。何となくですが、これは録音じゃなくて、CD化の時のマスタリングの技なんでしょうね。中域がものすごくすっきりしている感じ(^^)。
物語の内容はショルティ盤で書いたので割愛。演奏は、すごくうまく、そしてきめ細かく感じました。
前奏曲なんて、オケの音色表現が凄いんですよ!でもこれって録音のおかげというのもあるのかな。。しかし…音は良いし演奏はうまいのに、ショルティ盤ほどには心に入ってきませんでした。なんでだろう、こんなに良いのに、後に聴いたから新鮮味が薄れちゃったのかな…。あるいは、うまいけど抑揚がついてないとか、何か原因があるのかな…。これは、次に聴くときはカラヤン&ベルリンフィルを先に聴かないと分からないですね。。
音楽の内容に関しては、ショルティ盤の時に書かなかったことをちょこっと書くと…この楽劇はライトモチーフが多用されてました。けっこうくどいので、ほかのCDと並べて聞いているうちに、なんとなく「あ、これはきっと愛のテーマなんだな」とかわかってきたりして(^^)。後期ロマン派の語法って、今の劇伴に直結してますよね。
僕はこのCDを日本盤で持ってるんですが、仕様としてはLONDONのショルティ&ウィーンフィルが詳細の解説&ドイツ語のオリジナル詞&全訳つきの110ページ超のブックレットがついていたのに対して、EMIのこちらはあらすじとミュージシャン紹介程度の13ページほどの解説だけ(^^;)。ついでに、このCDのあらすじを読んでも、僕にはトリスタンとイゾルデの物語の良さがまったく伝わってきませんでした。。CD4枚組の長大な楽劇なので、セリフが何を言っているのかが分からないと楽しさ半減だと思うので、音楽の内容はさておき、CDボックスすという「物」としてはショルティ&ウィーンフィルの日本盤の勝ちかも。でも音はどちらも別の方向性でそれぞれ良いので、しっかりした日本語訳や解説の入ったものを先に聴いた後で、次の1枚として手を出すにはすごくいいCDかも知れません。マジで音がきれいでいいんですよ!
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