『ブルガリアの音楽 バルカン・大地の歌』

Bulgaria_Balcan.jpg これもブルガリアの民族音楽のCD。このCDは、更にブルガリアン・ヴォイスから離れ、器楽局が中心、歌が入っているものも基本的に器楽との合奏です。

 特徴的なのは、すごくアラビア音楽の色彩が強いという点。例えば、CDの最初の4曲は「カヴァル」という笛の独奏、5曲目から9曲目はヴァイオリンのソロに、時折歌が乗っかるという感じなんですが、そのどれもアラビア音楽的な旋法です。例えば、5曲目の民謡「今夜、恋人に会いに行くよ」では、1度、短2度、長3度、4度、5度、短6度…という戦法が使われています。なんというのかな、これを他の表現で言い表すと…ほら、アラビアの方で、笛を吹いて蛇がツボから出てくるのって、あるじゃないですか。あの音楽です。なるほど、よく考えたらブルガリアはトルコの隣なので、民族音楽大国トルコの影響を受けていたとしても何の不思議もないですね。しかし、このエキゾチックな感じ、いいなあ。
 他にも、すごくバラエティに富んでいて、このCDは面白い!!例えば、人形使いの大道芸の伴奏音楽なんかまで入っているんですが、これが共鳴弦のついた弓奏楽器。トルコに似た楽器で「ケマンチュ」なんていう楽器がありますが、それの親戚なんじゃないかと。あと、インドの歌にそっくりな歌(歌どころか、歌い回しまでそっくり!)なんかまであるんですが、これはもしかしたらジプシー系の音楽楽団が持ち込んだものなのかも。あと、ヴァイオリン属の楽器を、最初から最後までダブル・ストップで弾きまくる曲なんかもあるんですが、こんなのは間違いなく大道芸というか、プロの音楽家でしょう。
 あと、アルバム後半は、合唱のオンパレードなんですが、いかにも一般の人たちの歌唱で、「ああ、これがブルガリアン・ヴォイスの元ネタなんだな」と思わされます。麦刈り唄なんていうワークソングが結構入っているので、みんなで農作をしながら歌っていた音楽なんでしょうね。

 民族音楽というのは、その音楽単体だけじゃなくって、その音楽の成立している背景まで見えてくると、こんな楽しいものはありません。いま、グローバリゼーションの時代になって、世界にある音楽文化が均一化の方向に向かっている中で、その前に存在していた地域音楽というのは、本当に珠玉の音楽財産だと思います。しかしこのCD、僕は「トルコの音楽だよ」と騙されて聴かされたとしても、きっと気づかないだろうなあ(^^;)。



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Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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