
ヴァイオリンの
ヴィクトリア・ムローヴァによる、
大バッハのヴァイオリン協奏曲集です!バロックの頃の協奏曲は、古典派以降と違って、オケの人数がけっこう少なくて室内楽的。このCDの場合、オケは7人で(ヴァイオリン×2、ヴィオラ、チェロ、コンバス、バスーン、チェンバロ)、これはこの楽曲を演奏する最小編成ぐらいのサイズじゃないかと。収録曲は、以下の通り。
・ヴァイオリン協奏曲第1番 (BWV1041)
・ヴァイオリン協奏曲第2番 (BWV1042)
・ヴァイオリン協奏曲 ト短調 (BWV1056)
・オーボエとヴァイオリンのための協奏曲 (BWV1060)
あら?バッハのヴァイオリン協奏曲って、1番と2番だけじゃなかったっけ?と思ったら、このCD の解説に答えが書いてありました。
BWV1056はチェンバロ協奏曲5番として知られていますが、実はチェンバロ用ヘ短調の形が知られているだけで、あとは何の楽器のための協奏曲かはっきりしていないんだそうです。でも、学者の研究で、どうも大元はヴァイオリン用だったんじゃないか、との事だそうで。
BWV1060は2台チェンバロの協奏曲として知られていますが、昔の研究では2台ヴァイオリンが元だったと考えられ、さらに最近の研究でヴァイオリンとオーボエの演奏が元だったんじゃないかと思われているそうです。というわけで、このCDは2つのヴァイオリン協奏曲+αが聴けるわけですね。これはいいものを手にしたぞ(^^)。
ヴァイオリン協奏曲の1番と2番はどちらも3楽章なんですが、これが対照的で、
第1番は短長短という調性で、第2番はその逆の長短長。しかも長調と短調の関係が平行調なので、3曲合わせてひとつという感じでウツクシイ(^^)。そして、ロマン派協奏曲に慣れてしまった僕は、バロックの協奏曲はなおさら美しさが強調されて感じます。主張しあう協奏曲じゃなくて協調しあう室内楽曲に聴こえて、アンサンブルが美しいんですよね。。
BWV1056ヴァイオリン協奏曲も3楽章制。なるほど、トリルの運指がヴァイオリンっぽいから元曲がヴァイオリンだったんじゃないかという事なのかな?この推測はきっとBWV1060にも当てはまって、ヴァイオリンの運指に合わないから1台がオーボエだったんじゃないか、みたいになった気がします。そうそう、1060のオーボイストは
フランソワ・ルルー、なんという軽やかなオーボエ演奏か!いつかこの人のCDを取りあげた事がありましたが、やっぱりいいですね~(^^)。
演奏は、
アンサンブルが相当に綺麗!ガシガシ行かずに、調和している感じ。そしてヴァイオリンは、バロックにしてはけっこう歌わせてる感じでした。時としてカウンターラインを綺麗に作るコンバスがしっかり出ていて、一方でチェンバロの音が控えめなので、弦楽感が強かったです。ああ~これはいいなあ。。
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