
1954年録音、プレスティッジから発表された
マイルス・デイヴィスのリーダー作です。僕がこのアルバムをはじめて聴いたのは高校生の時でしたが、ロックと違ってジャケットが大人だなあと感じ、これから自分は知らない大人の文化の中に入っていくんだとワクワクしたものでした(^^)。そうそう、マイルスには
『Workin’』という名のアルバムもあるので、気をつけろ!
1曲目は、以降のマイルスのライブでの定番曲となる「Walkin'」ですが、テンポはライブでの超速とちがってミドルテンポの心地よい感じ。この曲、それぞれの楽器がクリアに録音されていて、「あ、いい音だな」と思ったんです。ウッドベースがアンプを通さずにピチカートで「ボン、ボン、ボン…」と心地よい低音を出して、ドラムはライドもハイハットもぶ厚い音で鳴っていて、ピアノもちゃんとすべての音が明瞭に聴こえて、音も鉄板エコーかルーム・エコーのような音で、すごくふくよか。曲がどうとか、ソロがどうというんじゃなくて、若い頃の僕はこの音にやられたのでした。僕が持っているのはLPで、CDを聴いた事があるわけじゃないんですが、ジャケットのカッコよさと言い、この音といい、これはLPで買うべきアルバムじゃないかと。
50年代のハードバップのジャズ録音の音が好きなレコード・コレクターの人って少なくないと思うんですが、これは「50年代ジャズ的な良い音」の代表格じゃないかなあ。実際にはこんな風にライブで音が鳴るわけはないのでライブ再現というレコード芸術ではなく、オーディオによるオーディオ観賞のための録音という感じですが、
これが「ジャズのレコードの録音」というひとつのフォームを作ったんじゃないかと。
音楽は、テーマとアドリブという典型的なハードバップ・セッションでした。ソロでびっくりしたのは、B面に入っているデイヴ・シルドクラウト Davey Schildkraut というアルト・サックス。なんだこれ、サウンドは
アート・ペッパーや
スタン・ゲッツみたいなウエストコーストなサブトーンで、しかも「Solar」や「Lome or leave me」のソロなんて短いけどすごくうまい。。このアルト奏者、僕は全然知らなかったんですが、スタン・ケントン楽団にいた白人奏者みたいです。
マイルスはこのアルバムからコンスタントにアルバムを発表するようになり、モダン・ジャズ最大のスターへの階段を上っていきました。プレスティッジ時代のマイルスというと『Bag's Groove』や
マラソン・セッションの4枚が有名ですが、僕はこのアルバムが一番好きです(^^)。
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マイルスの「Walkin'」はかなり好きですね。
お散歩ペースのテンポが心地良いです。
でも、気分良く聴けるのはコルトレーンまで。
卒業してからはスピード・アップップで、こりゃ大変!!
スピード違反で逮捕するど。 (笑)
ではでは。