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『アタウアルパ・ユパンキ / 1936~1950』

AtahualpaYupanqui_1936-1950.jpg ギターインストのアルゼンチン・フォルクローレといえばこの人、アタウアルパ・ユパンキです!エドゥアルド・ファルーもそうですが、ユパンキも古い人なうえにアルゼンチンのミュージシャンなので、初期の活動は12 inchレコードの時代ではない上に原盤が残っていないようで、今では入手困難。仮に手に入るにしても10インチ盤はマニアでない僕にはちと辛い(^^;)。というわけで、これは初期のユパンキの録音をうまくまとめてくれた好編集盤!ユパンキの初録音とされる「インディオの道」「マングルジャンド」の2曲を発掘して収録してるほか、アルバムという形で発表されなかった時代のユパンキの録音も収録されてました。いい仕事してるなあ(^^)。

 フォルクローレという言葉から合衆国のフォーク・ミュージックや「コンドルは飛んでいく」みたいなアンデス系のフォルクローレを想像すると、ぜんぜん違うので面くらいます(^^;)。これはギターのシロウトの僕にとってはほとんどクラシック・ギターです。イエペスの「禁じられた遊び」みたいな古いクラシック・ギター音楽ってあるじゃないですか、あんな感じです。弾き語りの曲とインストが半々ぐらいですが、弾き語りのものもやっぱりクラシック・ギター調。一口にアルゼンチン・フォルクローレといってもアンデスのものとちょっと違って幅が広い音楽だと感じますが、このクラシックギター調の弾き語りという伝統はユパンキさんとファルーさんから連なってるんでしょうね。

 そういう古き良き…みたいな雰囲気を持ってるんですが、ユパンキは革命運動に参加し、軍事政権に反発して共産党に入党。これで危険人物としてブラックリストに名が刻まれて48年にフランスへ亡命。こういう人なので、詞の内容は優雅な曲想とはちょっと違ったものがありました。「年経たサンバ」に出てくる「希望を追いかけて行ってしまった私の心はどこにある?」なんて詞はロマン派詩なんかではなくてリアルに亡命の比喩なんじゃないかと感じました。あ、そうそう、フランス亡命中のユパンキはエディット・ピアフと親しくなったそうですが、亡命中の音源がこのCDには8曲入っていて、「ポルテスエロの想い出」なんかはシャンソンと似た作りの歌い回しと曲想でした。

 ユパンキは芸歴の長い人なので、フォルクローレに疎い僕はどこから手をつけて分からない状態だったんですが、デビューから戦後しばらくはこのCDさえあればバッチリじゃないかと!素晴らしい解説と編集ですが、なにせインディーズレーベルの制作なので今では入手困難かも。聴きたい方は見かけたら速攻でゲッチュだ!

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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