キリ・テ・カナワ&ショルティ指揮ウィーンフィルによる「4つの最後の歌」に猛烈に感動した僕は、この曲のピアノ伴奏編曲版ってないのかと思ってCDを探しました。好きな曲って自分で弾いてみたいじゃないですか。そして見つけたのがこのCDでした。おお、バーバラ・ボニーってあの美声のアメリカ人じゃん…というわけで、ワクワクしてこのCDを聴いたのでした。
バーバラ・ボニーの声が明るく美しくて歌がうまい!それ以上にピアノのマルコム・マルティノーのピアノがエスプレッシーヴォでいい!なるほど~、後期ロマン派は過剰なぐらい思い入れたっぷりに演奏して丁度いいぐらいなんだな、すごく勉強になる。。そして録音が良い!いやあ、これはすばらしいCD だ、と思いきや…
マックス・ヴォルフによるピアノ編曲版「4つの最後の歌」でしたが、テンポが速い、速すぎるぜ。もう、あのショルティ&ウィーンフィルのゾワーッと来るようなモデラートに近いアレグレットが体に入ってしまってるからか、せっかちに聴こえてしまいました(^^;)。でも、楽譜に書かれている速度記号を見る限り、こっちの方がシュトラウスの指定には近いのかも。やっぱり、作曲家の意図に忠実過ぎちゃいけない事もあるという事でしょう。音楽は感動してナンボ、約束を守ってつまらなくするぐらいなら臨機応変に変えてしまってもいいと、個人的には感じました。
そして、「8つの歌」全曲、これは曲自体がイマイチでした。作品10なのでまだ若い頃の作品で、印象派やジャズを通過した後の耳だと、普通の3和音ばかりだと響きとして単純すぎて感じちゃうんですね(^^;)。
素晴らしかったのは、色んな歌曲集からチョイスされた歌。
このCDに入っていた良いと思った歌曲をダーッと書くと、「憩え、わが魂」op.27-1、「あした」op.27-4、「薔薇のリボン」op36-1、「わが子に」op37-3、「子守歌」op41-1、「したわしき幻」op.48-1。ちなみにop27-4はカナワ&ショルティもやってましたが、あんまり覚えてなかったんです。音楽って演奏や録音で聴こえ方がこれだけ変わってしまうという事なんでしょうね。そういえば、どれもピアノの演奏と録音の音の美しさで、心がしびれてる気がします。中でも良かったのはop.27の2曲ですが、シュトラウスの作品27って何だろう(音楽辞典で検索中…)おっ、「4つの歌曲」op.27 だそうです。これ、他にも「4つの歌曲」ってタイトルの歌曲集があるから気をつけないとな(^^;)。
というわけで、
僕が好きなR.シュトラウスはやっぱり中期以降で、後期になればなるほど好きみたいです。初期はドミソとドミナントばかりなのに、途中からは転調の仕掛けやら何やらとにかく工夫が満載で官能性が倍増、機能和声での作曲を勉強したい人にこれほど勉強になる教科書ものもないな、みたいな。そしてこのCD、ソプラノもピアノも録音も完璧!あとは、期待の「4つの最後の歌」ピアノ版だけどうにかしてくれていたら(^^;)。。
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