『Anthony Braxton / QUARTET (LONDON) 1985』

AnthonyBraxton_Quartet1985.jpg 前に紹介したアルバムが、現代コンポジションとジャズ・インプロヴィゼーションの振幅が広いアルバムだとすれば、こちらは比較的ジャズ・アドリブ的なブラクストンの超絶ソロを堪能できるライブ・アルバムです。CD2枚に渡って、吹きまくり。しかも曲は、例によってブラクストン独特の曲想です。基本的にモード的(本当の意味でのモードで、機能和声の中でちょっと変わったスケールを使うモード調とか、そういうのではない)というか、曲ごとにスケール的な色彩なんかが明確です。具体的に書き込まれたパートなんかもあります。

 とはいえ、ブラクストンって、曲のタイトルが絵で描かれていたりするんですよ。で、その脇に"COMPOSITION 52"とか"COMPOSITION 86 (+32 +96)"とか書かれてます。で、その意味でいうと、ここでの演奏はぜんぶ土台にあるコンポジションがあるみたいです。これは想像でしかないんですが、例えば"32+96"なんていう曲は、32という何らかのコンポジションと96というコンポジションを組み合わせたものなんでしょうね。例えば、32はスケール・コンポジションで、96は度数と音価のコンポジションだとすると、86というコンポジションは必然的に決まってくる。で、それが音楽の土台にあって、その範囲内でカルテットはアドリブ演奏することが出来る、みたいな。で、このCDの場合、CDの1枚目も2枚目もノンストップで一気に演奏してしまうんですが、クレジット上はどちらも6つほどのコンポジションから成っています。いやあ、演奏の切れも凄いし、作曲によって得る事の出来ているアンサンブル的な側面とか、あるいは曲調、サウンド・イメージなんていう側面も、実にカッコいいです。

 問題は、録音。どこかの劇場でのライブ録音なんですが、たぶんマイク2本で録ってるんですよ。だから、音がちょっと不鮮明で、ドラムとかベースがかなりカッコいい事をやってるのに、「ワ~ン」て残響でかき消されちゃって、良く聞こえない。ここだけが実に残念でした。あ、そうそう、メンバーは、マリリン・クリスペルがピアノ、マーク・ドレッサーがベース、ジェリー・ヘミングウェイがドラムです。いやあ、全員がリーダー作を出しているレベルのスーパーバンドじゃないですか。。素晴らしい!


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Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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