
ようやく見つかりました、キング制作の
ビルマの竪琴のCDです!南アジアのCDコーナーに紛れ込んでました(^^;)。バングラデシュの隣なので、まあたしかに東南アジアの中では南アジアに近かったから間違えちゃったのかも。これは日本のキングレコード制作ではありますが現地録音で、しかも音がめっちゃくちゃいい!!録音は1981年から87年の3回にわたっていました。
ビルマの音楽は静かな室内楽と、屋外で太鼓を打ち鳴らすにぎやかな合奏のふたつに分かれるそうですが、このCDはその両方が入っていました。竪琴の独奏もありましたが、多くは竪琴とシンプルな打楽器を伴奏にした歌音楽。他に、打楽器やチャルメラみたいな音のする楽器での派手な合奏、アメリカのブルーグラスみたいな馬鹿テクのアルペジオを聴かせるマンドリンみたいな形をしたマダリンという楽器の独奏など。竪琴に変わってゴング製の音階打楽器が伴奏になる事もあって、これがまた気持ちいい!
どの種類の音楽でも、
女性ヴォーカルの歌はインドやパキスタンの民間音楽のようなあのアタックを抑えた優雅な歌い方。歌の中に「ラ~メ~ヤンナ~」みたいな言葉が聴こえたので、ラーマヤーナが題材になっている歌もあるのかも。

レイドバック系の音楽は、竪琴もゴングもギターもダルシマー系の楽器も役割は似ていて、竪琴を例に言えば、
竪琴は起承転結がなく、どこまでもぽろぽろと弦をつま弾いていて、打楽器も小さな鈴の音と拍子木ぐらいの控えめな音で、涼しげな風鈴の音がかすかにリズムを取っている、ぐらいの感じ。
こんなゆったりとした音楽を奏でられて気持ちよくないはずがない、
最高でした!レイドバックした音楽を味わうなら東南アジアが最強じゃないでしょうか(^^)。映画の影響か、ビルマの竪琴というとチベット仏教の赤い袈裟を着た僧侶が持っている姿を思い浮かべてしまうんですが、僕はもしかするとビルマの竪琴で演奏された仏教音楽を聴いたことがないかも。音楽は
インド音楽系のあのゆったりした女性の歌唱法と、インドネシア方面のリラクゼーション音楽が混じった感じ。タイやベトナムみたいに、東南アジアは漢人音楽の影響が混じる地域も多くて、ビルマも屋外音楽はちょっとそういう毛がありましたが、室内楽となると中国色はほとんど感じられず、インドネシアと南アジアの音楽を竪琴伴奏の歌音楽にまとめたような響きでした。
ビルマと言えば政情不安定で経済崩壊の地域という印象ですが、このCDの解説を読むと、人々は活気にあふれて大勢の人が行き交いし、客が来ればおもてなしして笑顔が絶えず、現代が忘れてしまった人間の心の豊かさがここにあると思うほどの土地だったそうです。その雰囲気は音楽にもあふれていました。なんと優しく穏やかな音楽だろう、この音楽を流しているだけですべての人を許せる気持ちになってしまいました(^^)。大推薦!!
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