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『ヒンデミット:交響曲《画家マティス》、管弦楽組曲《至高の幻想》、ウェーバーの主題による交響的変容 アバド指揮、ベルリンフィル』

Hindemith_GakaMatis_Abbado BerlinPhil 表現主義、新古典主義、即物主義、実用音楽…時代によって色んな呼ばれ方をする人なので、ヒンデミットがどういう音楽を書く人なの、最初はさっぱり見当がつきませんでした。なにから聴いていいかすら分からず(T_T)。そして最初に手をつけたのが、名前だけは知っていた「画家マティス」でした。

 「画家マティス」はもともとオペラですが、このCDに入ってるのは演奏会用に構成し直した交響曲版です。はじめて聴いた時は肩透かしを食った気分がしました。ヒンデミットは僕が現代音楽の勉強をしている頃に出てきた名前だったもんで、刺激的な現代音楽的なものを期待してたのに、普通のロマン派音楽に聴こえたから(^^;)。普通のロマン派といっても、リディアンっぽい音階を使ったり、部分的にフーガっぽくなったりするんですけどね。でも、リディア調にしてもフーガもそれでひとつの構造を作るんじゃなくって、曲のあるシーンがそうなるという多様式的な使い方であって、情景を音楽で描いて移り変わってくこのやり方自体は思いっきりロマン派だよな…と感じたのです。そういう意味で、「画家マティス」のヒンデミットは、僕的には後期ロマン派であって、新古典とか即物主義とか実用音楽と言われてもピンと来ませんでした。そしてこの傾向は、このCDに入ってる「至高の幻想」も「ウェーバーの主題による交響的変容」もそうです。よく考えたら、「即物主義」も「実用音楽」も、「新古典」とか「バロック」みたいに書法に直接関わる言葉じゃないですよね。あ、ちなみにですが、あんまり深く考えずに管弦楽曲として聴いたら、どれもメチャクチャよく出来てる音楽だと思います。

 気をつけないといけないのは、有名な≪画家マティス≫を聴いて「これがヒンデミットの音楽か」と思いすぎない事じゃないかと。もちろんこれもヒンデミットの音楽ですが、ぜんぜん違う事もやってたりするし、むしろヒンデミットの素晴らしさはこういう「典型的なクラシック」なものではないと思うので、決めつけない方がいいかも。「室内音楽」の1番から7番までを通しで聴いた方が、むしろヒンデミットさんの考えを理解しやすい気がするんですよね。個人的には、ヒンデミットにとっての『画家マティス』は、バルトークにとっての「青ひげ公の城」ぐらいの位置にあたる作品だと思ってます。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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