『ブレーズ / プリ・スロン・プリ』

boulez_PriSlonPri.jpg ブレーズのピアノ曲を演奏した事があるので、楽譜も幾つか見た事があります。とはいっても、ブレーズのピアノ曲を人前で演奏できるような技術はないので、個人の楽しみとして弾いた程度なんですが(^^)。で、その曲はブレーズの歴史の中では「管理された偶然性」なんていうコンセプトで作られた曲のひとつで、音楽のモチーフがバラバラに書いてある感じ。で、そのひとつのフラグメントを演奏した後は、2番目と3番目のどちらのフラグメントを演奏しても良い…みたいな感じで書かれていました。要するに、演奏者の自主性という所に、ある程度音楽のコントロールを任せているという事なんだと思います。しかし、演奏する側から言えば、それをその瞬間にインプロヴィゼーション的に選択するなんていう事はまずなくって、より良くなると思う方を先に選んでおいて練習してしまうので、企画倒れなんじゃないかとは思うんですけどね(^^;)。

 前置きが長くなりましたが、このCDです。このCDは、「管理された偶然性(アレアトリー)」で書かれた作品、しかもオーケストラ作品という点で、とても評価されている作品なんじゃないかと思います。5部構成ですが、中間3部のタイトルなんて「インプロヴィゼーション」ですからね。しかし、こういう構造面は兎も角としてですね…音楽が非常に面白い!!素晴らしい!!そしてやっぱり音楽を時間の矢の方向に一貫性を持たせているのが、テキストなんですよね。ここでは女声ソプラノがその役割を果たしています。ブレーズって、理念の部分ではなく、新しい音楽的アイデアから、ひとつのお音楽作品を作り上げるのがメチャクチャうまい人なんだと思います。あんまりイデオロギーにとらわれ過ぎない方が、この人には向いているんじゃないかと思います。

 冒頭に述べたように「管理された偶然性」というものは、演奏と作曲が一体のものとなった時に初めて実現可能なんじゃないかと思います。作曲と演奏の分業体制の中では、冒頭に述べたような事にしかならないんじゃないかと。だから、僕の感想でいえば、その部分のアレアトリーの思想云々ではなく、この音楽の構造的な美しさやサウンドの見事さ、その部分だけでこの音楽を評価していて、それだけでもこの音楽は絶品中の絶品、大名作といっていいんじゃないかと思っています。ブレーズのオーケストラ曲で一番好きな曲、僕の場合はそれが"Pri Selon Pri"です。しかし、本当に素晴らしい音楽だなあ。。


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Bach Bach

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ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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