
僕が幼い頃から高校ぐらいまでの1970~80年代なかばは、心霊や怪談のブームが細く長く続いていました。それ以降になるとテレビで見かける心霊番組もヤラセっぽくなっていきましたが、70年代はかなりガチっぽい見せ方だったんです。異種格闘技戦をやる時の新日本プロレスみたいなもんでで、「他はフェイクだけどこれはマジ」みたいな。心霊系でいうと、宜保愛子さんや織田無道さんあたりが出てきたあたりから「ヤラセっぽいな」と冷めていった僕でしたが、自分が子どもだった事もあるのか、それ以前のものはかなりビビるものが多かったです。
でも、
『世界妖怪図鑑』で鍛えられていたので、子ども向けな「ドロロン閻魔くん」ぐらいではビビらずにいられました。でもこれはマジで怖かった。中岡俊哉さん編集の心霊写真集です。だってアニメや絵じゃなくて写真じゃないですか!フォトショップなんて当然知らなかった年頃なので、いかにもなトリック写真以外は「うわ、マジか…」なんて心の底からビビってました。
夜にふとんを頭までかぶって寝るほど怖いくせに、翌日になるとまた友達と一緒に本屋まで行って一緒に見てビビる…そんな感じでしたね(^^)。
新書サイズのこの「恐怖の心霊写真集」シリーズは、宇宙戦艦ヤマトや猿の惑星のように「続」とか「新」とか、どういう順で見たらいいのかさっぱりわからないほどいっぱい出てました。大ヒットしたんだろうな…。というわけで、どの本に出てた写真かは覚えてないんですが、個人的なトラウマがいくつか。
ひとつは、
縁側で撮影した女の人の写真。女の人は口をあけて笑っているのに、窓ガラスに移った女の人の口は閉じてるんです。怖ええええ!!!小学生だった僕が寝れなくなったのは言うまでもありません…寝たけどね(^^)。あと、後ろに
飾ってある肖像画の目が、記念撮影している人をにらみつけているもの。
車の中に人の影が見えるもの。
映していないテレビの中に目があるもの。仏壇全体に髪の長い女の人が重なって映っているもの。
今となってはアマチュアですらフォトショップやアプリを使って合成写真なんて簡単に作れるようになってしまったので、心霊写真の信ぴょう性がなくなったもんで、心霊写真の見方が僕の中では変わってしまいました。プロレスと同じで、嘘と分かったうえで完成度を楽しむ、みたいな。でも昔は違って、嘘か本当か疑心暗鬼の状態で、中でも強烈なものが「さすがにこれはマジだろ…」と本気で思ってました。今見たって、完成度の高いものはフェイクと分かっていても怖いですからね(^^;)。
変な話ですが、友だちとこういうものを見てビビったという事ですら、大人になると懐かしくていい思い出と感じるんだから面白いです。本気でビビってたから、強烈な体験として記憶に残っているのかも知れませんね。僕が心霊写真集に嵌まっていたのは小学3~4年ごろでしたが、本気で怖かったなあ。。
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