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MJQ を面白くないと感じる人に捧げるMJQ の聴き方!

MJQ_Concorde.jpg モダン・ジャズ・カルテットのアルバム『Concorde』の感想文のコメント欄から、ブログ友達さんより「(MJQ は)さっぱり良さが分からなかった」という趣旨のコメントをいただきました。僕もしばらくずっとそうだったもんで、すごく分かる気がするご意見でした。そういう人って結構多い気がしますし、特に、リアルタイムではなく後追いで聴いた人だと「MJQは分からん」という意見は少なくないんじゃないかと。

 でも僕の場合、「面白くない保守的で退屈な音楽だな」と思っていたMJQ に、ある時から大ハマりしてしまいました。今では、ジャズ史に残る名アンサンブルのひとつだと思っているほどです。というわけで、コメント欄に返信させていただいた内容を以下に転記しておきます。名付けて、「MJQ を面白くないと思った人に捧げるMJQ の聴き方」!

* * * * * *

■MJQ には、たしかにカクテル・ジャズ風の退屈なアルバムがそれなりにある
 おっしゃっている事、すご~くよく分かります。MJQ、僕も最初はさっぱりでした。その最初というのは『ベニスに死す』と『ジャンゴ』で、これがどちらも大アウト。いま考えるとこの2枚は○○さんいうところの「カクテルジャズ」方向の色がメチャクチャ強かったという(^^;)。。どちらもジャズ評論家やSJ誌が大絶賛していましたが、今から思うとジャズ評論家のポンコツさや80年代以降のSJ誌のレコード会社の太鼓持ち加減って、罪だったと思います。あれのせいで日本でジャズが死んだといっても過言じゃないぐらい。というわけで、MJQ は、レイドバックしたカクテルジャズ、アンサンブル音楽、ショーバンド、この3つのバランスで出来ているグループで、カクテルジャズ方面に寄りすぎると、たしかに面白くないと思います。

■でもMJQ は室内楽風のアンサンブルをやると素晴らしい!
MJQ_SPACE.jpg 僕の転機はジャズやロックのミュージシャンがごっちゃで出演した『スーパー・ショー』というビデオを観た時でした。ツェッペリン、バリー・ガイ、MJQ、ローランド・カークなど、ジャンルを超えたミュージシャンが出演しているスタジオライブだったんですが、ここでのMJQがハーモニック・マイナーのモード4あたりを使いながらアドリブとアンサンブルが混然一体となった音楽をやっていて、これにぶっ飛びました。もう、音楽のレベルがケタ違い。このビデオは今では見るのが難しいかもしれませんが、その曲自体は『Space』というアルバムに入っています。
 というわけで、MJQ の本当の素晴らしさは、カノン以降の西洋音楽の作曲技法を色々使える音楽能力の高さと、それをアンサンブルにして表現できるアレンジ能力にあると感じます。そういう事をやっていたジャズって、MJQ 、ミンガス、ジミー・ジュフリー、シェリー・マン、ジョージ・ラッセル…限られるんですよね。やろうと思っても出来る知識があるジャズマンが少ないという事もあるだろうし。

■MJQ が室内楽アンサンブルをやればやるほど、アドリブの意味がジャズのメインストリームとは違っていく
 こういう枠で音楽をやっているので、MJQ の場合はアドリブの役割がバップ系統のジャズとは違う気がします。エスプレッシーヴォな表現ではなくてカデンツァやゲネラルバス的なんですよね。今回の記事でも書いていますが、初期MJQ はまだハードバップ色が強くて、アンサンブル面が安定してくるのはもう少し後からです。

MJQ_PorgyandBess.jpg そういうアレンジ面が絶品のMJQ のアルバムでおすすめは、『Pyramid』、『Blues on Bach』、『Porgy and Bess』、『Space』の4作です。スコアが本当に見事で、なぜベースとドラムがああやっているのかはこのへんのアルバムを聴くと分かるんじゃないかと思います。チェンバーミュージックの低弦の役割を理解しているコンバスってジャズでは多くないと感じますが、そんな中でパーシー・ヒースは相当にレベルが高いと思います。音から判断するに恐らくガット弦を張ってますし、アルコもうまいですし。もし僕が室内楽ジャズのグループを作るとしたら、バスはパーシー・ヒースかバリー・ガイかスティーブ・スワロウを指名したいぐらい。そうそう、ドラムのコニー・ケイも、ジャズやロックのドラマーでは珍しいぐらいにアンサンブルをよく聴いていると感じます。そうそう、MJQ のリズム・セクションの室内楽への対応能力の高さが分かる超優秀アルバムは、『Blues on Bach』や、ポール・デスモンドのアルバム『East of the Sun』あたりがおすすめです。ジャズのミュージシャンって出音が汚い人が多いですが、MJQ のリズム・セクションは音がものすごくきれい…タッチがぜんぜん違うので、やっぱりクラシックやってたんじゃないかという気がします。少なくとも、聴いて勉強はしていたでしょう。

■サード・ストリーム・ミュージックは、ジャズやロック/ポップスだけ聴いている人だと良さを理解するのが難しいかもしれない
 MJQだと、他には『Third Stream Music』や『A Quartet is a Qurtet is a Quartet』『Jazz Abstruction』などなど、サード・ストリーム色の強いアルバムも僕は好きですが、こっち方面はバロックや近代クラシックを聴いた後じゃないとピンとこないかも。最近書いた記事で言うと、バッハのブランデンブルグ協奏曲のゲネラルバスやヒンデミットの「室内音楽」が良いと思うようなら、サードストリーム方面もそうとうに面白いと感じる気がします。僕は、ヒンデミットやバッハは、若い頃はまったく分かりませんでした。

 いっぱい書いちゃいましたが、カクテルジャズ方面のMJQでは、僕の場合『コンコルド』や『Fontessa』は気持ちよさが退屈さを上回るのでセーフ、『ジャンゴ』や『ベニスに死す』は退屈さが優ってしまってアウトです。こういう境界線って、要するに個人差なんでしょうね(^^;)。

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Comments
 
おお、コメント欄が発展して1本の記事になりましたね。
こういうのも、インタラクティブでいいですね。
僕は残念ならが、最初に友人からかりた2,3枚以外はついぞ聞くことがなかったので、(僕にLPを貸した友人も同じだったようです。)MJQの良さはわからずじまいでしたが、Bach Bachさんが同じ中学だったら違っていたのかなあ。
どのみち若いうちはお互いに無理だったかも 
AKISSH さん、書き込みありがとうございます!

いや~、僕がMJQの認識を「お、これは?!」と改めたのって大学生の頃だったと思うので、どのみち中学で出会っていても互いに「これは退屈だね」で終わっていた気が(^^;)。いいアルバムとの出会いって、タイミングですよね。

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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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