
バルカン半島は
アルバニアの東にある内陸国マケドニアの伝統音楽のCDです!2004年発表、レーベルはスウェーデンのCaprice というレーベルでした。2000年代って、ヨーロッパの音楽の中心が本当に北欧に写って言った感じがしますよね、民族音楽のレーベルなんて昔はフランスと相場が決まっていたのに。
いや~、
ギリシャやアルバニアの音楽もそうでしたが、マケドニアもいろんな音楽が融合しないまま残っていて、万華鏡のようでした。その多彩さと言ったら目も眩むほど。耳についたものを片っ端から上げていくと…
●隣国アルバニアのポリフォニーに近いところのもの。でもアルバニアみたいに宗教性を感じるわけじゃなくて、打楽器を含む民族舞踊的な音楽の歌パートが異様に複雑なポリフォニーとなってました。
●トルコやアラビアの音楽に近いナイの音楽。あの、尺八のような音で、蛇使いの笛のようにピロピロやるものです。でもこれが笛2本で1本がドローンにしてあるところはポリフォニーな声楽からの影響かも。
●そしてそれをバグパイプに置き換えたような音楽。バグパイプって実はイギリスの専売特許じゃなくてヨーロッパ中に広がっているので、汎ヨーロッパ的にも感じました。
●ジプシー音楽に近いものと感じた音楽。ハンガリーのジプシー音楽のようなエキゾチックな旋律をテクニカルな演奏で奏でるアコーディオン2台の演奏。
●
バルカンブラス。これは、曲想がジプシー音楽調だったのが面白かったです。
●ジプシーが持ち込んだと思われるアーリア系の音楽。まるでインドかパキスタンのような歌音楽をギター伴奏でやるものっがそんな感じでした。
●モダンなもの。現代的(と言っても、60年代のアメリカン・フォークのよう)なフォークギター弾き語り、ピアノと民族音楽をフュージョンしたモダン・ミュージック。
いや~、バルカン半島の音楽って、なんで融合せず多様性を残したまま残ってるんでしょうね。民族集団がそれぞれ文化的に交流しないまま共存しているという事かなあ、「ヨーロッパの火薬庫」と言われるぐらい民族紛争の激しい地域ではありますしね。そういえば昔はユーゴスラヴィアなんていういろんな国を合体させた国があったけど、結局またバラバラになっちゃいました。
この多様な音楽性は、マケドニアの歴史にも理由があるのかも。
僕が子供のころ、マケドニアはマケドニア共和国という名前でしたが、今は北マケドニア、ギリシャ、ブルガリアに分かれてるんだそうで。それでも民族のアイデンティティになっているのはマケドニア語を話す南スラヴ人というところなのかも。僕はマケドニアについての知識がぜんぜんありませんが、多様な音楽を聴くだけでも興味津々。行ってみたいなあ。
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