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書籍『うまく歌える「からだ」のつかいかた ソマティクスから導いた新声楽教本』 川合弘子

UmakuUtaeruKarada no Tsukaikata ヴォーカリストさんにアドバイスをするために発声法関係の本をたくさん読みふけった事があります。クラシックでもジャズでも、どの本もだいたい同じような事が書かれていたのですが、この本はまったく違ったアプローチで書かれていました。古典的なアプローチじゃなくて、コーチングやアレクサンダー・テクニークのような比較的新しいソマティクスの知識を含めたアプローチから書かれた声楽教本だったのです。これが素晴らしかった!条件つきかも知れませんが、これはまじめに声楽を学んできた人には救いの一冊になるのかも知れないと思いました。

 レビューの前に、さっき「条件つき」と書いた理由を先に述べておきます。この本、声楽の指導をある程度受けてきた人向けに書かれているので、初心者や我流でやってきた人には向いてないと思います。例えば、「お尻を締めて歌えと言われる事の理由は…」「軟口蓋を上に引っ張るという言われる理由は…」みたいな説明がよく出てくるのですが、そもそもそういう指導を受けた経験のない人には、これらの説明は早すぎるかも。というわけで、この本は「きちんと声楽を学んだ経験のある人向け」になると思います。その前提で…

 この本を要約すると、ソマティクスという分野から発声を見つめ直して、これまでに指導されてきた発声指導の根拠を科学的に把握する、みたいな感じでした…僕の理解が正しければの話ですが(^^;)>。ソマティクスとは、自分の体を自分でどう感じるかという学問分野だそうで、有名なアレクサンダー・テクニークなんかもこの中に入るみたいです。で、声楽教師の指導や上手い人の真似をするというより、その方法論は学ぶけど結果として出てくるものは自分の身体次第なので自分の体に訊いて、自分の正しいやり方でやる、みたいな。ここは自己流でいいというのと意味が違う事は注意しとかないと変な方向にいっちゃいそうですが、そこを踏まえればとても素晴らしそう。

 第1章では、この理屈をまず説明して、次に声楽でよく指導されるけど、それってどういうことなのかを勘違いしないように説明(例えば、「喉を使わないで歌う」とか「声をあてる」とか「声を集める」などの指導が、いったい何を目指したものなのかを説明する感じ)されていました。

 第2章は、そうした発声の時に使う筋肉を、かなりリアルな解剖図を使って説明し(今回、いっぱい声楽関係の本を読みましたが、リアルな解剖図を使ってあったのはこの本が唯一でした)、その筋肉の正確な位置やそのコントロールの仕方を知るようにできていました。いやあ、この第2章は素晴らしい。
 どう素晴らしいかというと…例えば、歌と言えば何はともあれ腹式呼吸、横隔膜のコントロールですが、この正確な解剖図を僕は見たことがありませんでした。簡易的なものはいっぱい見てきましたけど。で、正確な解剖図を見ると…えええ=、こんなに大きく広い範囲にあるの?!なるほど、「横隔膜をコントロールする」と言ったって、その正確な位置を知らないと話にならないし、またその場所を自分で意識できていないとコントロールするも何もないだろ、とたしかに思えます。もうこの時点で、この本は買いです。

 第3章は、ソマティクスに基づいていると思われる身体メソッドの紹介。紹介されていたのは、アレクサンダー・テクニーク、コナブルのボディ・マッピング、フェルデンクライス・メソッド、ロルフィング、野口整体などでした。いずれも概要の紹介で、「これは良さそうだな」と思ったら、それぞれの専門書を読むなり、ワークショップに参加するなりする感じかでしょうか。自分にとって良かったものだけを備忘録として書き残しておくと…
 「アレクサンダー・テクニーク」は、この本に書かれている事をザックリいえば、しない事を学ぶ、みたいな。ある運動をする時に勝手に余計な事をしてしまってる事があって、それが運動を妨げているので、しない事を学ぶ。練習するほどできなくなっていくことがあるのはそのためだ、みたいな感じ。アレクサンダー・テクニークって「しない」それだけではあんまり意味がなくて、プライマリー・コントロールを身につけるという事なんだと思いますが、それは書いてありませんでした。アレクサンダー・テクニークに関しては、そのへんをもう少しちゃんと書いた本を読んだ事があるので、いずれまた感想を書ければと思います。
 「コナブルのボディ・マッピング」。人間は自分の身体の位置を意外と誤解してる、みたいな事かな?たとえば、肘が思うように動かない人が、実際のひじ関節とは5cmずれたところを動かそうとしていた、みたいな。

 4章と5章は、トレーニング法やエクササイズの紹介。ここは「こういうのもあるよ」みたいな説明で、ルーティンワークを組んでくれているわけではないので、取り入れるかどうかは自分で判断して、自分でルーティンワークを作っていく感じかな?

 というわけで、僕的には1~3章は必読、特に2章は素晴らしかったです。歌をやるなら、いずれは絶対に買わないとダメな本じゃないでしょうか。図書館で借りて済ませようなんて、これだけたくさんある筋肉を覚えるなんて無理、つねに横に置いておいて、ことあるごとにちゃんと見て、自分の身体を意識して…みたいにやる事で、音大や教師からの指導で行き詰った人の問題を解決する、みたいな本じゃないかと。良い本でした!

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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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