『Energized』と同じ1974年発表、フォガット4枚目のアルバムです!フォガットといえば『Fool for the City』と『Live』が名盤として伝えられてるだけで、あとのアルバムはほぼ聴かれない…というのが日本での相場になってる観がありますが、実はこの『ロック・アンド・ロール・アウトローズ』と76年の『Night Shift』がガチ。このアルバムは、僕は聴いてすぐに「いい!」と感じたわけではなかったんdねすが、引っかかるものがあって何回も聴いてるうちに虜になってしまったスルメなアルバムでした。ブギのリズムの強烈さではたしかにこれが最高傑作かも。
サヴォイ・ブラウンやブラックキャット・ボーンズというイギリスの名ブルースバンド出身のメンバーで作られたフォガットなので、メンバーのプロフィール的に思いっきりブルースロックになるかと思いきや、そうなりません。このバンドの音楽は3つの要素から出来ていて、ひとつはロック、ひとつはポップス、もうひとつはブルース。この3つのバランスが、アルバムごとにあっち行ったりこっち行ったりするんです。そして、ふたつ目のポップスな要素がこのバンドの面白さのひとつと同時に弱点にもなりかねない諸刃の剣で、いい意味でいうとスリーコードでペンタトニックなブルースバンドと違って、転調もすれば展開も出来て、これが単純なブルース系のロックから脱却する要素になってると感じます。一方でこのポップさが実力派バンドのフォガットをショーバンドのように感じる要因にもなってるという(^^;)。硬派なブルースロック信者からは、サヴォイ・ブラウンをやめて売りに走ったように見えてしまうかも知れないという怖さがあるところ。 そんな危ういバランスの上に成立してるバンドですが、このアルバムはショー的な要素が少なく、女性コーラスやホーンの参加もなし。バンドのプレイだけでの真っ向勝負!曲もポップな曲はなくブギーにブルースにロック、曲を展開させまくったり演奏勝負でギターソロを大フューチャーしたりしているうちに6分超えになる曲が3曲と、実にガチです(^^)。フォガットのファンの間では、「これがフォガットのベスト・アルバムだ!」という人も結構いるみたいですが、『Night Shift』はちょっとハードロック過ぎてフォガットらしくない所もあるので、ガチ勝負のアルバムでこっちがベストという気持ちは分かる気がします。たしかにカッコいい。。 若いころに僕がよく分からないと思ったのは、たぶん長い曲なんでしょうね。間奏で展開して最後に転調して最後にテーマに戻ってきてラスト・コーラスに入る1曲目「Eight Days on the Road」なんかは、アホな中学生には難しすぎた(^^;)、でも分かってくるとたまらなく感じるのは当然です。同じ事が最後の「Chateau Lafitte '59 Boogie」にも言えて、最初に聴いた時は明確なメロディラインも感じられないただのロックで長いジャム・セッションみたいに感じていたものが、聴いているうちに、イントロと間奏のスライドギターのカッコよさに気づいてぶっ飛び、間奏中で転調が繰り返され、曲の要所要所でズバズバとトゥッティが決まり…などなど、曲の構成とバンドのうまさに感激!