『Anita O'Day / Pick Yourself Up』

AnitaOday_PickYourselfUp.jpg これは、比較的スモール・コンボのオケでのアニタ・オデイのジャズ・ヴォーカルを聴く事の出来る好アルバムだと思います。オケはふたつで、ひとつはペット・ピアノ・ギター・ヴァイブ・ベース・ドラムのスモール・コンボ。もうひとつはビッグバンドなんですが、アレンジが見事で、ブラスセクション鳴りまくりではなく、要所以外では大胆にブラスセクションをカットしたりと、実にセンスのいいアレンジ、まるでスモール・コンボを聴いているようです。「真夏の夜のジャズ」でアニタが歌っていた"SWEET GEORGIA BROWN"の元アレンジが入っているのも、このアルバムです。ヴァース・パートからいきなりフォービートになるあのアレンジ、見事ですよね。というわけで、オケもアルバム構成も、全体としてメチャクチャにセンスが良いです。

 で、このハイセンスなオケの前で、アニタ・オデイさんの歌が素晴らしい!この人、フレーズの最後が白玉だと、ノン・ヴィブラートの状態から徐々にヴィブラートをつけ、最後にはかなり深いヴィブラートにするんですが、これが実にジャズ的というか、もうこれだけでイケちゃうというほどの見事な職人技。また、声もかなり作り込んでいて、普通に張ればもっと声量を稼げるんでしょうが、敢えてブレスを多めに入れて、倍音豊かなあたたかい音色を作り出しています。これはシロウト考えなんですが、こういう声の作り方って、普通に歌うより息が持たなくなる筈なので、どれだけサウンドというものに気を遣っているのかという事だと思います。プロだわ。あとは歌いまわしなんかも、喋る様に歌うところ、バップ系のフレージングでスキャットするところ、綺麗にうたう所…なんていう感じで、1曲の歌の作り込みが本当に凄い。

 他にも聴き所がたくさんあって、2曲目とか5曲目でソロをとるバーニー・ケッセルというジャズ・ギタリストのソロが見事!などなど、もう文句なしの大傑作!ジャズヴォーカルを聴いてみたいという人には、絶対のオススメ作品です。残念なのは、アニタさんという人は結構美人な人なのに、彼女の良さの出たアルバムは、どれもこれもブスにしか見えないジャケットばかり。もっといい写真があると思うんだけどなあ。




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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです(ノ^-^)ノ
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ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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