ジュリアン・ブリームとジョン・ウイリアムズ。クラシック・ギターの巨頭による2台ギターです。僕にとっての2台ギター初体験は、もしかしたらアサド兄弟よりこっちの方が早かったかも。クラシック・ギターの世界では超がつくほどの有名アルバムだそうです。また、ブリーム&ウィリアムズは、もっとも有名なギター・デュオのひとつなんだそうで。
1971年録音という事もあってか、古い録音だったブリームさんの「スパニッシュ・ギターの神髄」みたいな海賊盤のごときオフな録音ではありませんでした。それぞれのギターの音が、低弦からハイ弦まで、1音1音すべて明瞭に聴こえるほどよく聴こえます。でも、今度は
オンすぎる録音で、部屋の響きがまったく録音されておらず、聴きにくい事この上なかったのです。頼む、ちょうど良い感じにしてくれ、これじゃ近すぎてスタジオ録音みたい、音にぜんぜん色気がない…音楽って何よりサウンドだなって思ってしまいました。でも、高級なクラシック・ギターの裸の音がどういう音なのかが分かって、その点は良かったかも…でも色気がない(^^;)。。
かんじんの音楽ですが、いかにもクラシック・ギター部の部室から聴こえてきそうな音楽(^^;)。それって、なんなんでしょうね。クラシック・ギターというとてつもなくムズカシイ楽器を演奏する事だけが目的になっていて、音楽そのものは前時代的な曲のまま…って事なのかな?73分けにして、将来はギターなんかやめていい所に就職しそうなクラスメイトが演奏してそうな音楽。ジャズでロックだった若いころの僕には合わなかったなあ(^^;)。
演奏は、緊張感張りつめた巨匠の対決という感じは全然なくって、リラックスしたふたりが2重奏を楽しんでるようでした。「亡き王女のパヴァーヌ」なんて、もっと切なく美しく出来そうなのに、4分音符のバスを強く出して、アンダンテぐらいで楽しそうに進んじゃうし(^^;)。
音楽として観賞するというより、プレイヤーが聴いて「やっぱうまいなあ」なんていうためのCDかも。ブリームさんのアルバムというと、歴史的な意味もあって、『スパニッシュ・ギターの神髄』や、このギター・デュオが取り上げられることが多いですが、僕はどちらもダメでした。でも、クラシック・ギターだけを聴いている人じゃなくて、今の音楽全体を聴く耳で聴いたら、それが普通の感想な気がするんですよね。僕はこの2枚でしばらくブリームさんを追うのをやめてしまったんですが、ブリームを素晴らしいと感じた録音は他にあって…それはまた次回にでも!
- 関連記事
-
スポンサーサイト