『Helen Merrill / with Clifford Brown』

HelenMerrill.jpg アニタ・オデイではない人で、白人女性ジャズ・ヴォーカル物で聴きまくったのが、このレコードです。ヘレン・メリルというヴォーカリストさんの大名盤です。女性ジャズ・ヴォーカルの大スタンダード曲に"What's New"とか"You'd be so nice to come home to" なんて曲がありますが、数えきれないほどに多く歌われきたこれらの曲で誰もが思い浮かべるのは、このレコードなんじゃないかと。ヘレン・メリルと同じような歌い方のものもあったりするほどで、これがジャズ・ヴォーカルの歌唱法の基準のひとつになっちゃったぐらいの大名盤です。

 しかし、ヘレン・メリルという人は、アニタ・オデイほどのテクニシャンではありません。というか、白人女性ジャズ・ヴォーカルものというのは、けっこうヘタな人もいたりして(^^;)…いや、ポップスみたいに「マジでこれでデビューさせちゃうのかよ」みたいなのは少ないし、またヘレン・メリルがヘタという訳でもないのですが。しかしこの人の凄いのは、そういう分かり易いテクニックの所じゃなくって、僕にとっては声が凄いと思っちゃいます。ちょっとハスキーで、また例によって息の成分を多く入れた白人ジャズ・ヴォーカルらしい声を出していて、もの凄く魅力的なのです。ちゃんとしたヴォーカリストさんって、声からきちんと作り込むんですよね。これは、昔にジャズ・ヴォーカルのレッスン風景を見たことがありまして(町のヴォーカル教室レベルのヤツじゃない、本物のやつです^^)、「うわ、息と声の成分とか、息の逃がし方とか、骨伝導のさせ方とか、そんなものまでコントロールしているのか…」と、ビビらされた経験があります。ヘッド・ヴォイスとか、横隔膜がどうとか、僕みたいな素人にはついて行けない世界でした(^^)。ヘレン・メリルという人がそういうのにどれぐらい自覚的なのかどうかは知りませんが、あの声が、たまたまそういう歌い方だったとは到底思えないです。もう、完成度100%という感じ。

 そしてこのレコード、トランペットの大スターであるクリフォード・ブラウンがバックバンドのリーダーなんですが、吹けばいくらでも吹ける実力がありながら、歌や曲を活かして、すごくTPOに合った演奏をしているんですよね。ジャズの人って、曲想とか関係なしに、自分のソロになると吹きまくっちゃってバカ丸出しという演奏もあるので、こういう気配りの出来た演奏は、聴いていてすごく感銘を受けてしまいます。

 まあ、僕なんぞが今さら推薦するまでもない、女性ジャズ・ヴォーカルの歴史的名盤なんですが…アニタ・オデイさんだと書き切れないぐらいに色んなアルバムを思い出すのに、ヘレン・メリルさんのレコードは、これ以外はあまり記憶に残っていないのは何故なんでしょう(笑)。とっても不思議。





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Bach Bach

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ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。
プロでも評論家でもありませんので、たいした事は書けないかも知れませんが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!! レコ芸に載っていた近藤譲さんの新譜、室内楽作品集みたい。好きな作曲家なんで聴きたいんですが、持っている2枚のALM盤と4曲かぶってるので悩み中…
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