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『アーノンクールcond. ヨーロッパ室内管弦楽団、アルゲリッチp、クレーメルvln / シューマン:ピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲』

schumann_concert.jpg シューマン作曲の「ピアノ協奏曲」と「ヴァイオリン協奏曲」を、なんと1枚の録音にまとめてしまったというCDです。棒振りはアーノンクール、ソリストはピアノがマルタ・アルゲリッチで、ヴァイオリンがギドン・クレーメルです。スーパーチームによる、大名曲の録音という事ですね。

 クラシックのオーケストラやコンチェルトを聴くときに、思う事があります。これらの音楽は、僕の日常生活の中に食い込ませるのが難しい音楽であるという事。朝、眠い目をこすって遅刻すれすれで職場に駆け込み、夜はもう日付も変わろうかという時に自分の部屋に戻るという僕のライフスタイルの中では、音楽は仕事場で小さな音で流すとか、ちょっと耳に挟むとか、寝る前に少しだけ聴くとか、そういうものになってしまいがちです。そうやって聴かれる音楽は、いつの間にか「心を落ち着かせたい」とか「スカッとした気分になりたい」といったように、僕の事情に合わせて機能してくれるものを求めてしまいがちなります。それって、清涼飲料水やコーヒーなんかと同じですよね。しかし、ベートーヴェンやシューマンやマーラーの交響曲や協奏曲となると、そんな片手間に聴けるものではないし、そういう聴き方をしてしまったら、多分良い音楽とは感じないんじゃないかという気がします。ホールで聴くか、ガンバって揃えたちゃんとしたオーディオ装置の前で、音を大きくして、部屋を真っ暗にして聴きたいのです。人生のうちの30分とか1時間の間を、全部持って行かれたいのです。

 シューマンのピアノ協奏曲は、激情的な出だしから、感情に任せて右に左に揺さぶられるような音楽。ロマン派音楽ここにあり、みたいな音楽で、これを「主題が…」とか「和声があそこで…」とか、そういう分析的な聴き方をしてしまったら、たぶん恐ろしくつまらない事になります。そうではなく、この溢れ出てくるようなエモーショナルな音の海の中に自分の身を全部任せてしまうと…いやあ、これぞ音楽の悦楽、官能の極み、もうすべて持って行かれてしまいます。仕事に追われ、お金の心配ばかりを毎日している僕の日常にとって、すべてを投げ出して自分の身も感覚もすべて委ねてしまう瞬間なんてまずないのですが、しかしこのシューマンの悦楽はそれを可能にしてくれる魔術的な瞬間。「クラシックは分からない」とか、あるいはその逆に「アーノンクールの解釈は…」とか、そういう見地はすべて投げ出して、自分ごとこの音の海の中に溺れてみて欲しい。

 言いたい事はぜんぶ伝えたつもりなのですが、これでは全然レビューになっていないので(笑)、少しだけ説明をすると…。ヴァイオリン協奏曲の方は、「シューマンのスコアのままで演奏する事は不可能」とか、「作曲家本人が演奏される事を拒否して封印されたいわくつきの曲」とか、まあ色々と逸話のある曲です。というわりにけっこう録音されていたりするんですが(笑)、他と比べるとクレーメルの演奏はタップリ目に弾いていて、しかもかなり丁寧。流暢というより、かみしめるような演奏です。エキサイティングな演奏に走りがちなヴァイオリニストだけに、これはむりろアーノンクールの解釈が先に来ているのかも。一方、アルゲリッチによるピアノ協奏曲は、ものすごい激情型の演奏。アルゲリッチのシューマン協奏曲には、有名なドキュメンタリーも残っていますが、明らかにこのCDの方が凄い!!もう、スコアがどうとか、そういう所にいません。その場で即興的に音を生み出したかのごとき演奏。テンポは変幻自在だし、冒頭から速度記号やら、エモーショナルな表現にすべてを賭けたかのような曲なので、これはまさにビンゴの演奏ではないでしょうか。こういう音楽は、もう自分の内側から出て来た音を全部叩き出していくような演奏こそが素晴らしいと思うのです。その時に、楽譜の指定から外れる事があろうとも。
 う~ん、これほどの境地でピアノに正対できているピアニストって、他にどれぐらいいるのでしょうね。ちょっと神憑りです。絶好調の時のアルゲリッチって、その心身の全てが音楽の為にあるが如きの凄まじさで、鳥肌モノです。




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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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