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心に残った音楽♪

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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『カンチェーリ:私は去る、見ることもないままに デニス・ラッセル・デイヴィス指揮シュトゥットガルト室内管弦楽団、ヒリヤード・アンサンブル』

Kancheli_watasihasaru.jpg 2019年の9月に他界してしまったグルジアの作曲家ギヤ・カンチェーリさんの作品集です。実は、カンチェーリさんのCDはECMから発表されたものを2枚持ってるんですが、ドミソのヒーリング系宗教音楽という印象がぼんやり残っているだけで、ほとんど覚えてませんでした(^^;)。これはいま聴き直さないと一生聴かないな…というわけで、久々に聴いてみよう、そうしよう。

 このCDに入っていた曲は以下の3曲でした。

・朝の祈り(1990) 室内オーケストラ、声、アルトフルートのための
・私は去る、見ることもないままに(1992-4) 弦楽オーケストラとヴィオラのための
・夕の祈り(1991) 室内オーケストラと声のための

 聴いた印象は、記憶通りでした。機能和声の古典的な調音楽で、瞑想的で静かな音楽。でもそれが深い音楽には聞こえずに、どうしても雰囲気重視に聴こえて、映画音楽のような。部分的に17世紀バロックみたいな音楽になるのは、キリスト教音楽と関連づけておくという事なのかのかなあ。ライナーにも「宗教的な動機」とか「ソ連崩壊」とか、音よりもコンテクストの事ばかり書いてありました。このライナーが作曲家さんの考えをどのぐらい含んだものかは分かりませんが。

 クラシック系のこういう音楽って、アルヴォ・ペルトにしてもジョン・タヴナーにしても80年代以降のヨーロッパに起きた傾向のひとつに感じるので、なにか文化的な背景があるのかも知れません。異様にシンプルなので売れ線を狙ったのかも知れませんが、もう少し真摯な姿勢でこれを作っていたのだとしたら、音よりも優先された何かがあったのかも。このCDのライナーで、カンチェーリさんはこんな言説に出会ったと言っていました。「他のあらゆる芸術の潮流は、説得力を持って我々に影響をもたらそうとしているが、音楽は我々を驚かそうとしている。」
 こういう文章を見ると、やっぱり音や音から直接受ける何かではなく、音で人間や音楽の外にある何かを伝えようとしているのかも。ただ…やっぱり音楽って、音の印象と構造の中から人が何かを組みだすという現象構造の中にあるものなので、そこに思想を持ちこもうとするところに、音楽に対する大きな誤解があるのではないかと思っちゃうんですよね。「広島の悲劇」や「亡命の悲しみ」を音で表現しようとする事が悪いこととは思いませんが、音の体験だけで聴者をそこに導くのは不可能だし、また導いたところで、音楽体験のいちばん純粋で強烈な所からは遠い作業だと思いますし。何より、それを伝えるなら音楽を使うにせよテキストありきだと思ってしまうんですよね…。
 実際のところ、この音楽を聴いて僕はそういう記号的な思想に行きつく前のところで「古典派の引用か」とか「ドミソか」と思っちゃったわけですし、こういう音から直接導かれるものより先に思想が来る事は不可能ですし。だから、詩句を用いず音的な印象と思想が結び付く事は僕の場合はまれなんだな、それをやるなら声楽か歌曲にするか、それこそ芝居や映画のような表現になってくると思う…あ、だから映画音楽に聴こえるのか、納得。

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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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