トルコの伝統音楽のうち、「
メフテル Mehter」と呼ばれるトルコ軍楽に限定したCD…とも限らず、軍楽がほとんどですが、最後にケメンチェ(ヴァイオリンのルーツになった楽器)の独奏が4曲入っているCDでした。録音は1969年から77年までの4回にわたる現地録音、小柴はるみさんと小泉文夫さんの録音…という事は、ポータブルでの録音ですね、きっと。アマゾンで外人が「このCDのレコーディングエンジニアは分かってない」とかレビューしている人がいましたが、60~70年代の現地録音というものを分かってないな。スタジオ録音された商業録音だけがいい音だと思ってるやつはこれだからたまらんね(^^;)。。
先に残念な点を書いておくと…トルコの軍楽をこのCDだけで聴くなら問題ないんですが、もし世界民族音楽大集成33巻の『トルコの音楽』を聴いている場合は、ふたつ残念な事がありました。ひとつは、解説が半分以上同じ事。民族音楽のレコードは、解説を読むのも楽しみのひとつになっている僕にとって、これはちょっと残念(^^;)。そして、9曲も音源がダブっていました。聴き比べるのが面倒なので聴き比べはしてませんが、
たぶんM13~21はCD『トルコの音楽』収録曲と同じ音源ではないかと。だって、『トルコの音楽』をさっき聞いたばかりなのに、聞き覚えがある演奏ばかりで収録時間もほとんど同じなんですよ…。

でも、音楽自体は満足でした!まず、
トルコの軍楽で使う楽器はぜんぶで7つあるそうです。管楽器系は2つで、
トランペット系のボルboru、オーボエ系のズルナzurna。打楽器系は、
片面太鼓は大型のケスkos と小型のナッカーレnakkare、両面太鼓のダウルdavul。金物は
大型シンバルがジルzil(もしかしてシンバルメーカーのジルジャンってここから名前を取ってるのかな?)、
飾り棒に鈴をつけたチュウゲンcevgen。でもって、
楽隊長はズルナ奏者が務め、楽隊のサイズは軍隊の大きさによって変わるんだそうです。
そして、トルコの軍楽は17世紀には200人の隊員がいて、現在はイスタンブールの軍事博物館に楽隊が保存されていて、観光客相手や催事の時に演奏を続けているそうです。
ケメンチェの独奏については、
CD『トルコの音楽』で感想を書いたので割愛。軍楽の方はさすが!「おお~すげえ迫力!世界最強の軍隊という感じがビシビシ伝わってすげえ!こんな音を鳴らされながら近づいてこられたら、それだけで戦意喪失だわ」ってな感じで、大迫力でした!!
『トルコの音楽』は18曲入りでしたが、そのうち半分がダブり音源というのはさすがにちょっと…こういうの良しとする企業態度って、リスナーの立場に立たずに自分たちが儲かればいいと思ってるみたいで、僕は嫌いです。キングって、民族音楽系のCDを、ジャケット変えたり、同じ地域のCDを2枚組にしたりと、同じものを手を変え品を変え何度も売りつけてこようとするのが嫌いです。
音楽自体は良かったんですが、世界民族音楽大集成33巻『トルコの音楽』を持ってたら、こっちは未収録の軍楽9曲を聴きたいというのでもない限り、要らないかも。でも今は33巻単独での入手って難しいんですよね。。
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