トルコの民謡(器楽を含む)を収録したCDです。決して詳しいわけではありませんが、西方アジアの音楽を聴いていると、イラン、イラク、トルコあたりが3つの頂点に感じる…な~んて思っていたら、この3国は地理的に三角形を作ってるんですね(^^)。このCDはトルコの民謡と器楽を収録していました。1980年の日本録音。
トルコの伝統的な歌曲は、テュルキ(turku)と呼ばれる民謡と、シャルク(Sarki)と呼ばれる芸術音楽系歌曲に分かれるんだそうです。もともとバイカル湖から西へ移動して現在のトルコにたどり着いたトルコ系民族は、移動の過程であの超絶的な完成度を誇る
ペルシャ音楽を吸収して大成させます。そういう過程もあって、トルコ人音楽家からすると、芸術音楽方面は本当のトルコの音楽ではないという感覚があるんだそうで。
でもって、テュルキ方面の音楽を収録したこのCDですが、歌が入っていようがいまいが、楽器の演奏がメッチャクチャうまい!いやあ、やっぱり西アジアの音楽のレベルの高さは尋常ではないわ。。

音楽は、イランのダストガーやイラク他の
マカームとつながりがあるように聴こえましたが、あそこまで大きな構造様式はなくて、ダストガーやマカームの技術を使って俗楽化した印象でした。打楽器がメインのリズムを刻んでいるうえで、ズルナ(オーボエ属の楽器)がある音階を元にインプロヴィゼーションしているだけの曲もあるんですが、そういうシンプルなものですら少しだけリズム系を変化させたり抑揚をつけたりして、飽きることなくメッチャ刺激的な音楽になっていました。いやーカッコいいわ。。
使われる楽器は
サズ系の細い棹(大型のディワンDivan、中型のバーラマ Baglama、小型のジュラ Cula。ちなみにこのCDにディワンは未収録)、ひょうたんに棹をつけた擦弦楽器のカバック・ケマネ Kabak Kemane(これはケマンチェとは違う楽器)、アゼルバイジャンの民謡の伴奏によく使われるリュート属のタール、オーボエ属のズル、メイ。縦笛カヴァール。両面太鼓ダウル。
個人的に
燃えたのは撥弦楽器バーラマ(サズ)の演奏の凄さと、このCD全体に漂っている楽曲のエキゾチックさ。2曲目のバーラマの独奏(一人で演奏しているとは思えないレベル!)、16曲目のバーラマと歌によるアッチェルしていく踊りの音楽、このふたつはすごかった。。昔、日本の歌謡曲で西アジアなムードの曲がたまにありましたが、ああいう雰囲気の曲もあってそれも好きでしたが、やっぱり楽器の演奏が強烈な音楽が好きだなあ。マスター級のプレイヤーが俗楽を演奏してるかんじ、素晴らしい素晴らしい音楽と演奏でした。これは大推薦!!
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これは発売された頃に買いました。このマニアックなCDを聴いている人がいたことに驚きです。何回も繰り返し聴いたわけではありませんが、一曲目が強烈に印象に残っています。もう30年近くも経つのですけどね。ハハハ
ジャズ、ブルース、ロック、クラシック、ワールドと紹介されるCDで持っているものでかぶるのが、結構あって嬉しいです。私は他にも、アンビエント、テクノなんかも大好きでして。特定のジャンルで好きな人は身近にもいるのですが、これだけ広範囲で好きな音楽がかぶる人はいないもので。