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『シノーポリ指揮・フィルハーモニア管弦楽団 / マーラー:交響曲第3番』

Mahler_Symphonie3.jpg ロマン派音楽のピアノ協奏曲のハナシを書いていたら、協奏曲や交響曲の悦楽…みたいなハナシになってしまいました。という事は、僕はロマン派音楽のシンフォニーを、そういうものとして捉えているんでしょうね。で、その手の音楽の極限にあるものは…やっぱり、ワーグナーとかマーラーとかになるんじゃないかと。そしてマーラーの第3番は、演奏時間100分超となる大交響曲です。普通の生活を営んでいたら、とても聴けるシロモノではありません(笑)。

 ロマン派の交響曲といって、真っ先に思い浮かべるのは、僕の場合、やっぱりベートーヴェンとかマーラーです。何かの記事で書いた事があると思うんですが、この時に使われる音楽の文法というのが、機能和声と呼ばれるもの。「ドミソ」の積み重ねと、そこから生まれる和声進行のシステムがベースになっているあれですね。クラシックの場合、このほかにテーマとなるモチーフ(「第1主題」なんて言われたりします)なんかをどのように発展させ、全体の音それぞれに関係性を作っていくか…なんていう所も、音楽に一貫性を持たせる方法として使われたりしますが、要するにそれって音の縦軸じゃなくって、横に繋がっていく時間軸上の処理。でもそうなると、横軸が展開していく瞬間は劇性があって面白いですが、展開しない時は退屈な気がします。響きが似たり寄ったりだから。実際、若い頃の僕もそう感じていたわけで…。しかし、交響曲が好きな人は、その時に退屈していない筈ですよね。ではその時に、何が起きているのでしょう。要するに、各シーンは、劇的進行ではなく、そのシーン自体を感じて楽しむ、という感じなんですね。ベートーヴェンの「田園」なんて、もう冒頭のシーン作りだけで圧倒されてしまうような見事な色彩感覚。それぐらい、各場面でのシーン作りに腐心しています。で、マーラーの3番も、概ねこういった音楽的なやり方を踏襲しています。例えば、この曲の1楽章は「夏の始まり」と「牧羊神の目覚め」が構想されていたりします。で、これを音で表現してしまう。音による風景画的なやり方。で、各シーンを渡り歩きながら、機能和声音楽の最も強力な武器であるドラマが展開されるという訳です。で、マーラーの3番は、この展開がもの凄い事になっています。まず、この曲が短調であるという所に注目。つまり、主題は暗めなところから始まるのです。で、100分もの時をかけ、6つの楽章を渡り歩き、映画のようにシーンを変えながら、音楽が最後に辿り着くのは…天国の世界のような、えらく清廉な世界。最後に奏でられるヴァイオリンのレガートの美しさと言ったらありません。

 今の音楽って、音自体に具体的対象がないものがほとんどであると思います。音を聞いた時に感じるその感覚ですべてというか…。で、僕もやっぱりそういう時代の人間なわけです。しかし、ロマン派の時代って、音楽にしても絵画にしても、そうではないんじゃないかと。この当時と現代の感覚のズレというものが、僕が交響曲を聴くための大きな壁としてあったんじゃないかと。しかし、もし絵画的な考えで音を操っているのだとしたら、聴く側は単純に言えばその世界に耽溺するだけで良いわけで…もうこれは、音楽が鳴っているその時は、一種の空想旅行の瞬間というか、それこそ至福のひと時なわけです。

 非常に二律背反的な言い方になってしまうのですが、僕みたいな小市民で労働者階級の人間にとっては、マーラーの3番を聴く生活時間というものがありません。また、「音で夏とか神とかのような対象を表現する」という考え方自体が、僕を含めた現代の一般的な認識からはズレているのも事実なんじゃないかと思います。そういった意味で、ロマン派のシンフォニーは、聴いて好きに感じてくれれば良いというものではなくって、「ロマン派のシンフォニーの聴き方」というものを知らないと、その良さは分からないシロモノになってしまったんじゃないかと。また、それを分かるために努力しなければいけない義務も、一般のリスナーたる僕にはないんじゃないかと。しかし…壮大なるロマン派音楽のシンフォニーの世界は、その努力をするだけの価値があるものなんじゃないかと思える。で、マーラーの3番は、そんな事を考えるきっかけになった音楽のひとつでした。

 …あ、そうそう、マーラーの3番に関し、僕は評論家のように色々な聴き比べをしているわけではありません。そんな時間は、一生ない気がします(^^;)。至福と思っていても、このディスクをかける条件が揃うのは、数年に1度なのです(^^)。僕はシノーポリの指揮によるこのマーラーを「すごすぎる」と思って聴いている事は間違いがないのですが、これが一番良いマーラーの3番であるかどうかは分かりません。…頼りない推薦で、申し訳ないです。。




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Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
スゴイのが出る!King Crimsonの1970-1972年の間のスタジオとライブ音源!21CD+4BD+2DVD!リハーサルテイクとか、メッチャ聴いてみたい!2万円か、また貯金しないと。。 今月号のintoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 少し前に取りあげたエリザベス・コットンですが、ライブ盤なんてあるのか?!これは聴きたい… オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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