モーツァルトの明るく優雅でハイテンションなイメージにピッタリなオペラです!
モーツァルトのオペラというと、ひとつ前に書いた「魔笛」のほか、この「フィガロの結婚」に「ドン・ジョヴァンニ」あたりが有名。これに「コジ・フォン・トゥッテ」を加えてモーツァルト4大オペラなんて言うそうですが、最後のひとつはオペラを見るどころか曲すら聴いた事ないです(^^;)。「フィガロの結婚」は
オペラ・ブッファと名付けられてますが、
オペラ・ブッファとは、それまでの貴族のためのオペラと違って大衆的なオペラの事で、滑稽な人が出てくる喜劇が多いです。
原作はボーマルシェという人で、
「フィガロの結婚」は「セビリアの理髪師」の続編。
「セビリアの理髪師」は後にロッシーニがオペラ化して大ヒットさせます。ボーマルシェという人は数奇な人で、時計商の家に生まれて、時計商として皇后づきになるほど評価されつつ、音楽は作るし劇作家にもなるし、果ては探偵までやってます。大金持ちになったり、財産没収されて放浪したり、とにかく波乱万丈な人。こういう人好きだなあ、付きあったら絶対面白い人だわ(^^)。そしてこのオペラの主人公
フィガロ自体がボーマルシェに生き写しなんだそうです。
話は喜劇なんですがちょっと凝っていて、すぐに女を口説く伯爵が、フィガロの婚約者まで口説こうとするので、フィガロが色々と奸計を企てるというもの。そのうちにフィガロが実はすごい血筋の人だと分かったり、誰かが誰かに化けたりと、喜劇とはいえちゃんと話を追ってないとわけがわからなくなります。最後もあっけらかんと笑ってフィナーレ。いや~
ワーグナーの指輪やバッハのマタイ受難曲あたりの後に聴くと最高にくだらないですが(^^;)、でもそれがいいです!思うんですが、昔の方が喜劇でもなんでもよく出来ていて高度だなあと思います。台本でも音楽でも、ひとつひとつの作品が丁寧に作られているというか。いま、これぐらい丁寧に作られた新作の舞台喜劇ってなかなかないんじゃないかなあ。
音楽は、とにかく序曲が有名。いかにも軽妙でモーツァルトらしい曲ですが、オペラ中の曲は暗くなる事なく、ずっとこの軽くハイテンションな感じで続きます。レチタティーヴォ部分は
バッハ以来の書法が残ってますが、全体的に古典派の管弦楽という匂いが強かったです。アバド&ウィーンフィルの演奏は、やっぱり現代オケなので迫力があって、一方で古典派音楽の軽妙さはちょっと薄いかも。管弦が強すぎて、チェンバロとかが聴こえづらかった(^^;)。
聴いていて気分が良くなるオペラ。生きてる間は笑って過ごしたい人にうってつけ、人生の春がそのまま作品になったような陽気さの、軽く気持ちいいオペラでした(^^)。
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