
清元節のベスト盤、CD2枚組です!ディスク2はひとつ前の日記でとりあげたCDの主人公・
清元志寿太夫のパフォーマンス。演目も「三社祭」に「三千歳」と完全にダブってましたが、三味線が違って、こちらの録音は清元栄治・清元栄三郎のペアか、清元幸寿郎・清元幸三郎のペアが務めていました。ディスク1は、
5世清元延寿太夫(えんじゅだゆう)の浄瑠璃でした。演目は、「北洲(ほくしゅう)」「文屋(ぶんや)」「保名(やすな)」。清元志津太夫さんのCDの感想で
「常磐津と清元は歌舞伎浄瑠璃として有名」なんて書きましたが、それは嘘じゃないんですが、どちらも日本舞踊などのお座敷浄瑠璃としてもよく使われるんだそうです。
5世清元延寿太夫。浄瑠璃が古風でカッコいい!三味線の「イヨッ!」「アイヤッ」という合いの手がカッコいい!これはいいなあ、5世清元延寿太夫っていつの人なんだろうか…って、1862年生まれってことは、江戸時代に生まれてるじゃねえか!いや~よく録音が残ってたな、これは凄いわ。。延寿太夫は清元の語り口を上品にし、三世梅吉(清元梅吉は清元節の三味線の名手)の協力で一時代を築いたそうです。僕が古風と感じた部分が「上品」という事なのかも。ゆったりして、丁寧で、急がない感じでした。
1曲目の
「北洲」は、清元を代表する名曲だそうです。タイトルになっている北洲とは、江戸の町の北側という事で、吉原のこと。つまりこれはお座敷浄瑠璃。でも、パフォーマンスも詩句もエッチには感じませんでした。むしろ、「浅草市の戻りには、吉原女郎衆が手毬つく」みたいな叙景が多くて風流に感じるほどでした。
2曲目の
「文屋」とは、六歌仙のひとり文屋康秀のことみたいです。「逃げんとするを恋知らず、引き止めるを振り払い」みたいな感じで、康秀は小町が好きで通おうとするんですが、康秀のことを好きなのは官女、みたいな(^^;)。平安時代の話を江戸の吉原に絡めてリメイクしてるのかな?
3曲目
「保名」は、歌舞伎で有名な演目ですが、なるほどこれも清元なのか。
死んだ妻を思って狂い、形見の小袖を抱いて踊る、みたいな。これは歌舞伎抜きでも詞に泣けました。「昔恋しき面影や、移り香や、その面影に」ですよ…。
清元志津太夫のディスク2は、違う録音とはいえ演目がコロムビアの人間国宝シリーズとダブっていたので割愛(^^)。
常磐津と清元の浄瑠璃の違いがライナーに書いてありました。
常磐津は曲の聴かせどころでしっかりオトス(こういう発声技法がある)けど、清元はオトシきらずに2段階にオトシ、最後を半音上げるんだそうです。なるほど、これが江戸情緒と繋がってるのか…僕には分かりませんでしたが(^^;)>。5世清元延寿太夫さんのディスク1が特に好きです(^^)。。
- 関連記事
-
スポンサーサイト