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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『J.S.バッハ:マタイ受難曲 リヒター指揮、ミュンヘン・バッハ管弦楽団&合唱団』

Bach_MataiJyunankyoku_Richter_Munhen.jpg バッハの3大宗教曲はどれもすごいですが、特に圧倒されてしまうのがマタイ受難曲です。新約聖書内のマタイ伝を元にしていて、ヨハネ受難曲と同様、キリスト処刑前後という西洋世界で構成に最も影響を与えただろうドラマが語られます。あまりに巨大な作曲家の大バッハの傑作中の傑作なので、有名な指揮者も楽団もそう簡単に録音が残せない巨大な作品。これは、人生をバッハに捧げたリヒター指揮の録音です。リヒターはマタイ受難曲を2回録音していますが、これは初録音となった1958年録音のもの。僕が若いころは、「マタイ受難曲」はどのレコード屋にもこれしか置いてなくて、対抗馬なんて何もなかったです(^^)。

 冒頭の通奏低音つきの管弦から合唱までだけでも「いい」です。でもこの音楽ドラマを体験している過程で、じわじわ「すごい」と来た感じでした。音だけじゃないんですよね、音も音響構造もも素晴らしいんですが、言葉とか歴史とか、西洋思想史とか、色んなものが合わさって、ジワッ…って感じ。その感覚はなんていえばいいのか…昔、海外の美術館で「最後の晩餐」の絵の前で泣いている女の人を見たことがあります。なんか、ああいう感覚に近い気がするんですよね…

 僕がバッハに深くハマったのはけっこう大人になってからで、作曲の勉強を本格的に始めてしばらくたってからでした。それまでは印象だけで聴いていたに等しくて、バッハは苦手。ところが作曲の勉強をして深く入っていくと、どんどんその構造に引き込まれていきました。メロディと和声とスケールと対位法と…なんて幼稚な音楽ではなかったのです。そんなわけで、バッハを聴く時は、どうしても技法や技術に耳がいくようになってたんですよね。でも、ミサ曲や受難曲となると…音楽の技法がどうなんてものじゃなく、音楽で何をやるのか、これがマタイ受難曲をはじめとした巨大な宗教音楽なのでしょう。バッハは教会オルガニストになったり、時代によって作品内容が変わるんですが、宗教的な声楽曲を書いていた時が、音楽だけでないお身でも最もすごいものを作り上げていた時代かも。

 僕は世界の宗教を自主的に勉強したことがありますが、だいたいのきっかけは音楽で、キリスト教の場合の入り口はバッハでした。バッハのヨハネ受難曲とマタイ受難曲から遡って新約聖書を読んで、Q文書の研究書、一神教の本、グノーシスなどの本を読んで…みたいな。自分がまるで知らなかったものに触れて、世界が開けていくようで、のめり込みました。でも一神教ってやっぱり言葉の宗教なので、どこかで理屈っぽくなっちゃうんですよね。でもユダヤ教もキリスト教もイスラム教も、その予言者が体験したその瞬間って、一撃ですべてが分かる至高体験だったというじゃないですか。その感覚に近いもののひとつが音楽の気がします。バッハの音楽はストーリーを追っていますが、このオルガンと合唱のサウンドはバッハ時代のプロテスタントの宗教的な感触を残しているように思えて仕方がないんですよね。

 1957年録音で合唱が右から聴こえたり奥にいたりして、ビートルズのデビューよりさらに前なのにステレオ録音ってあったのか…少年合唱が素晴らしい…なんて色々と思う事もあったんですが、そういう事を書きはじめると大事な部分が伝わらなくなっちゃいそう(^^)。この300年で作られた西洋音楽の最高峰に位置するもののひとつではないでしょうか。エヴァンゲリストの言葉を含めたストーリーが重要な役割を務める音楽と思うので、僕みたいにドイツ語が分からない人は、ちょっと安いからって輸入盤とか抜粋版なんかに手を出さず、フル収録で全訳がついている日本盤の入手がお薦め。音楽が好きなら、死ぬまでに一度は体験しておきたい曲じゃないかと。

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プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
神戸住まい、奥さんとネコと暮らす音楽好きです。音大は卒業したのですが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたCDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度ですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば、大変嬉しく思います(ノ^-^)ノ

最近気になってるCDとか本とか映画とか
intoxicateに載っていた1枚。「Vyacheslav Artyomov」、ロシアの作曲家は名前が読めなくってムズカシイ。。「ヴャチェスラーフ・アルチョーモフ」と読むらしいです。伝説の「フレンニコフの7人」のひとりとの事ですが、それって何かすら僕は知らず(^^;)。作風的には初期は新古典的、後に民族的な様式、十二音技法や、複調性、ミニマルなんかも用いたみたい。ロシアの前衛は強烈なものが多いので、聴いてみたいです。アマゾンで買おうと思ったらダウンロード版しかなかった(;_;)。 オスマン時代から現代までのトルコ音楽のガイド本みたいです。おおお~、これは絶対に読もう!!
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