ある時まで、ジミヘン のライブ盤の極めつけとまで言われた名盤です! ただこのレコード、色んなライブから曲を集めているからか、のちにジミヘンのライブがコンサートごとに編集して出されるようになってから見かけなくなってしまった。。でも、僕にとってのジミヘンのライブは、
ワイタ島 も
モンタレー・ポップ も好きだったけどこっちの方がさらに上、愛聴していました(^^)。
どのライブからの音源なのかは最後にまとめて書くとして、このアルバムの編集方針の抜群に優れている所をいくつか。
まず、
ジミヘンのギターの素晴らしいところを堪能できるよう、アプローチの違う曲を収録している こと。アルバム冒頭「Johnny B.Goode」は、伝説のモンタレー・ポップでの「Killing Floor」と同系統のアプローチで、あのキレッキレの津軽三味線みたいなメロディ&バスの同時演奏を聴く事が来ます。これが熱い、メッチャすげえ!!僕的には、ジョニー・B・グッドの名演は、1位がキャロルのラスト・ライブ、2位がこのジミヘン、3位が
チャック・ベリーのマーキュリー再録 、4位が
バック・トゥ・ザ・フューチャー です(^^)。
「Blue Suede Shoes」はアレンジが冴えてましたが、これはジミヘンコードなんて呼ばれる♭9thの演奏の見本例。 60年代のロックでテンションに踏み込んだのは
フランク・ザッパ や
キング・クリムゾン など少数だったと思いますが、ここで
ビートルズ や
ストーンズ の時代が終わった、という事だったんじゃないかと。
「Little Wing」は、戦前ブルースというか19世紀のクラシック・ギターというか、ああいうギターのコンビネーション作曲が聴けます。
「Voodoo Chile」と「Lover Man」は、もう言うまでもないですね(^^)。というわけで、色んなギターアプローチの曲が散らしてあるのがすごくよかったです!
ふたつめに、
音がムチャクチャいい!! ジミヘンのライブ録音って、モービルが入ったものはたぶん10公演ぐらいしかないと思うんですが、それらの公演から選ばれてるのでさすがに録音がいい です。
スタジオ録音より音がいいと言っても過言ではない ほど。そしてミックスも素晴らしいです。のちに大量にリリースされることになったジミヘンのライブ発掘音源って、音が悪いものがけっこうあったんです。比較しやすいのは、このアルバムと同じ音源が入っている70年8月31日のワイタ島のライブなんですが、このレコードは音がめっちゃくちゃいいし迫力もあります。でも、『Live Isle of Wight 70』は…これ以上はちょっと書けないな(^^;)。というわけで、『イン・ザ・ウエスト』は録音とミックスが素晴らしいです!
最後に、「曲」としてまとまりのいいパフォーマンスに絞っているようで、これでジミヘンのライブを聴いていると僕がどうしても陥ってしまう「飽き」が来なかった事!ジミヘンのライブって、後年になればなるほど長いインプロヴィゼーションが挟まる事が多くて、これが苦手だったんですよね。それでも「Machine Gun」みたいに、どんどん盛り上がっていくとか、構成がしっかりしてれば燃えるんですが、ただペンタトニックを弾きまくってるだけだとマジで飽きる…。ジミヘンの音楽が退屈に感じるとしたら、大きな転調をしない事と、ペンタトニック一辺倒になりがちなところだと思うんですよね。でも、このライブ盤は曲をコンパクトにまとめた演奏だけを拾ってるようで、だれずに良かったです(^^)。
色んなライブから拾った音源なので、いつもこのアルバムは整理して各ライブのCDを買い直そうと思ったりするんですが、いつも聴くと「これはジミヘンのライブの最高峰じゃなかろうか?!なんでこれを手放す必要があるんだ?」みたいに思えて、ずっと持っているのでした。とか言って、同じことをウインターランドを聴いてもフィルモアのジプシーズを聴いても思うんですけどね(^^)。思えば、
このレコードを買ったのは中学生の時。もう35年以上も聴いてきていまだに好きなんですから、素晴らしいレコードに違いない と思います。
そうそう、ダブりを避けたい人のために、このレコードのレコーディング日を記載しておきます。僕がこのアルバムを手放すためには、70.5.30のバークレーの「Johnny B.Goode」と「Blue Suede Shoes」、69.2.24のロイヤル・アルバート・ホールの「Little Wing」をゲットしない事には手放せないぞ…。
1969年2月24日Royal Albert Hall
・Little Wing
・Voodoo Child (Slight Return)
1969年5月24日San Diego Sports Arena
・Red House
*『Stages』disc3とダブり 1970年5月30日Berkeley Community Theatre
・Johnny B.Goode (1st show)
・Lover Man (2nd show)
・Blue Suede Shoes (Afternoon Reharsal)
1970年8月31日the Isle of Wight Festival
・The Queen
*『Live Isle of Wight 70』とダブり ・Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band
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有名盤は聞きましたが、どうも途中で退屈になってしまう。特にライブ。
書かれているように、延々とペンタでとるソロが退屈になってしまうのですね。
一方、高校の頃、アマチュアライブを聞いて、うまいなーというギタリスト何人かに演奏直後に、誰をコピーしました?と聞くと必ずジミヘンと。
確かに、ペイジでもブラックモアでもないギタープレイでした。
直接聞くより、コピーしたプレイを感心するとは不思議です。