ドビュッシーも
ラヴェルも、弦楽四重奏曲を1曲しか書いてません。言っても作曲の最難関と言われる編成ですし…と思ったら、ふたりとも若い頃に四重奏曲を書きあげてるし(^^;)。という事は、逆に「こんなのもうこりごりだ」と思ったのかな?この印象派ふたりの弦楽四重奏曲はよくカップリングされてCD化されてたもので、どちらも好きな僕は若い頃に色々と買いあさったものでした(^^;)。これは、カルミナ弦楽四重奏団の演奏です。
ドビュッシーの弦楽四重奏曲が書かれたのは1893年で、『牧神の午後への前奏曲』が書かれた前年。というわけで、いよいよドビュッシーが印象派的な音楽になる雰囲気が曲に出ているな、みたいな。この曲は4楽章制ですが、曲ごとにキャラクターが明確。
1楽章はソナタ構造に聴こえますが、テーマはフリジアンで印象派っぽい色彩感覚。2楽章はダッタン人の踊りみたいなリズムですし(^^)。3楽章や4楽章のトレモロは交響詩「海」っぽくも感じました。けっこう絵画的という意味でなるほど印象派の先駆的な作品に聴こえました…小学生並みの感想ですみません(^^;)>。
ラヴェルの弦楽四重奏曲はフォーレに献呈されています。27歳の若書きだというのに、完成度が半端ない…。ラヴェルは印象派的な曲ばかり書いているわけじゃないんですが、僕が好きなのは『ダフニスとクロエ』あたりの、やっぱり印象派的なサウンドを持った曲なんですよね。でもって、弦カルみたいな編成だったら和弦の色彩感が必要になりそうな印象派的な曲より、もうちょっとカノン状な新古典的な作曲に挑戦するかと思いきや、その両方を満たしたアンサンブルを書いてしまったのが凄いと思いました。特に1楽章と2楽章が印象派的な色が強くて好きです。2楽章のピチカートの使い方なんて、ゲーム音楽で参考にしているのを何度か聴いたことがあります(PS2『アルゴスの戦士』の水っぽいステージとか?)。
カルミナ弦楽四重奏団の演奏は素晴らしかったです!例えば、ハーゲンQとかだと「音が細い気がする」「和弦が美しくないのかも」「アーティキュレーションが合ってない気がする」とか、何となくしっくりこながったりするんですが、この演奏はビタッと来てました(^^)。すごい。ただ、音が味気ない気がして、音で感動できなかったのが少し残念。それって演奏じゃなく録音な気がするんですが、クラシックは録音ってすごく大事だと思うんですよね。みんな同じ曲を録音するわけだし、どこかで差をつけないと、みたいな。演奏だけでなくサウンドで「お、これは?!」と思わせてほしい、な~んて思っちゃったりして。こういう事を考えちゃうから他のアンサンブルでの演奏を聴きたくなって、クラシックのレコードレーベルの思うつぼにはまっていってしまったのでした(^^;)。
- 関連記事
-
スポンサーサイト