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『Mercedes Sosa / Mujeres Argentinas』

MercedesSosa_MujeresArgentinas.jpg クリスティーナとウーゴを聴いて、あか抜けなく単純でネイティブなフォーク音楽と思っていたアルゼンチン・フォルクローレが意外にも高度で洗練されている事を知った僕は、中南米音楽のガイド本を本屋で立ち読みして、有名なアルゼンチン系のフォルクローレ歌手の名前と代表アルバムを片っ端から記憶して帰りました。なにせまだ高校生、小遣いには限度があったのでね(^^;)。そこで知ったのが、1960年代にデビューしたメルセデス・ソーサでした。これは1969年発表(日本のWikipediaには73年と書いてありますがこれは間違い)の、アルゼンチン・フォルクローレの大名盤中の大名盤。フォルクローレといえば「コンドルは飛んでいく」みたいな音楽だと思っていた僕のイメージが大きく覆され、こんなに素晴らしい音楽だったのかと思わされたレコードでした!

 フォルクローレって聴くと、「コンドルは飛んでいく」とか、ユパンキのギターみたいなのを想像するじゃないですか。若い時の僕がそうだったんですが、メルセデス・ソーサあたりになると「コンドルは…」みたいなプリミティブさは微塵もなくて、かなりモダンです。1次大戦前後から2次大戦後まで続いてるイタリアやフランスのフォークな歌曲の系譜ってあるじゃないですか。雰囲気としては、ああいう感じ。思いのほか思いっきり機能和声音楽で、哀愁があって、アレンジはバッチリで、けっこう高度な和声も使ってたりして。だいたい、こんなにピアノやモダン楽器を使った音楽だとすら思てませんでしたし。ものによってはタンゴに近いぐらいの哀愁を感じる曲もあって、リズム以外はなるほど同じ土地の音楽なんだな、みたいな事も感じました。

 これも勝手な思い込みで、メルセデス・ソーサという人は、日本の民謡みたいに音楽はシンプルで歌や声がすごい人なのかと思っていたんですが、自際には真逆。音楽が素晴らしくて、歌はうまいとかすごいという感じじゃなくてハートで勝負する感じ。60年代にしてこのモダンさ、アルゼンチンのフォルクローレをまだ知らない方はまずはここから。必聴です!

追記(2022年2月):
 ちょっとした用があって、久々に聴きなおしたら、またしても感動してしまいました。。この超モダンな雰囲気の影の主役は、作曲を担当したアリエル・ラミレス。ラミレスはアルゼンチンのフォルクローレを現代化した立役者のひとりですが、それもそのはず、ローマやウィーンに渡ってクラシックも勉強してきた人なんですよね。このアルバムに収録されている「Alfonsina y el mar」(アルフォンシーナと海)は、サンバ(ブラジルのSambaじゃなくてアルゼンチンのZamba)を代表する名曲になりましたし、「Dorotea, La Cautiva」(囚われの女ドロテア)や「Juana Azurduy」(ファナ・アスルドゥイ)はラミレスの代表曲にも数えられるようになりました。このアルバム自体が、メルセデス・ソーサのアルバムというより、音楽アリエル・ラミレス&詩人フェリックス・ルナによる戯曲とも言えそうな内容です。8曲すべてがこのコンビの作品ですしね。アルバムタイトル「Mujeres Argentinas」は、翻訳すると「アルゼンチンの女」という意味で、そもそもこのアルバムは8人のアルゼンチン女性を歌った内容なのでした。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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