このアルバムの驚く所は、よくぞこれだけいい曲を揃えたなという点と、アレンジがことごとく素晴らしい事だと感じました。 10小節ワンコーラスで矢継ぎ早に繰り返す「À mourir pour mourir」(死に憧れて)がアルバム1曲目。音楽も素晴らしいし、詩も「どうせ死ぬなら私は綺麗な若いうちに死にたい」、この1曲目で僕のハートは鷲づかみでした。 2曲目「Pierre」はバルバラの代表曲のひとつ。ピアノでマイナーのダイアトニック進行を作った上にずっとのっかっているトランペットがカッコ良すぎる、歌が素晴らしすぎる。。3曲目「Le bel age」もピエールと同系統の曲で、切なく憂鬱な感じ、聴き入ってしまいました。いやあ、マジでいいです。。 他にも「Je ne sais pas dire」は曲が見事、「Sans bagages」はルバートでうねるように進行する曲と、アルコのコントラバス&ヴィブラフォンを活かしたアレンジがしびれます。楽器の使い方で言えば、「Ni belle, ni bonne」のミュート・トランペットの素晴らしさも「うわあ…」と感激してしまいました。ついでに7曲目「Nantes」(ナントに雨が降る)もバルバラの代表曲のひとつ…というわけで、アルバムを通じてつまらない曲が本当に1曲もないんです。