
80年代トップアイドルのひとり、
小泉今日子さんの1982年から2017年までのシングル曲をコンプリート(!)した3枚組CDです。中学の同級生だったバスケ部キャプテンのC君がキョンキョンの大ファンで、「むっちゃ可愛い」と連呼してました。あんまりそう言うので僕も興味を持ったんですが、その時は良さが分からず。でも、
ドリフのコント番組に出演しているキョンキョンを見たらめっちゃ可愛かった!そして歌番組で「まっ赤な女の子」と「渚のハイカラ人魚」を歌っている動くキョンキョンを見たらヤバいぐらいに可愛かった!!というわけで、僕的には完全にルックスから入った女性アイドルでした。
僕がよく知っているキョンキョンは1982年から84年まで。85~90年は何となく耳に入ってきていたぐらいの感じで、91年からしばらくはドラマの主題歌になった曲のサビぐらいは聞いたことがあるような…みたいな。95年以降はまったく知らない状態でした。そしてキョンキョンの詞や曲の傾向も、大体この印象に近い形でざっくり分けることが出来ると感じました。
■デビュー(82年3月)から1年ほど:模索期 まずはデビューからシングル6枚目あたりまでの約1年間。「私の16才」とか「素敵なラブリーボーイ」の頃です。アイドルのステレオタイプの曲が充てられていて、没個性。これは音楽だけでなくルックスもそうで、聖子ちゃんカットなもんだから二番煎じっぽかったです。
■「まっ赤な女の子」(83年5月)から1年半ほど:ブレイク期 ただ、最初の6枚のシングルの中で、5枚目のシングル「まっ赤な女の子」だけ色が違っていて、これが突破口になったんじゃないかと。おしとやかな清純派ではなく、
健康的で明るくて超絶可愛い女の子というキャラを確立。ヘアスタイルもショートになって(もしかしたら刈り上げていた時もある?)、オリーブ少女的な最先端を行っているようにも見えました。
他の特徴もあって、
ピンクレディー並みにぶっ飛んだ歌詞が目立ちました。「渚のハイカラ人魚」「艶姿ナミダ娘」…意味がよく分からないんですけど、これが良かった(^^)。
■「なんてったってアイドル」(85年11月)から5年ほど:やりすぎ&進路相談期 ぶっ飛んだ詞がエスカレートしすぎて色物になったのがこの時期の半分。「なんてったってアイドル」「学園天国」「見逃してくれよ」…もし健康活発でむっちゃ可愛いキョンキョンを良いと思っていた人は引いたんじゃないかと…あたしだよ。。
こういうガキくさい仕掛けをするって…うわあやっぱり秋元康だ、ミーハーなおっさんはいやだねえ(^^;)。 で、もう半分が、少女ではない、大人の入り口ぐらいの女性のキャラを作りに行った歌がありました。これが次の時代に続いて…
■「あなたに会えてよかった」(91年5月)から90年代末まで:働く普通の20代女性 このへんからのキョンキョンはほとんど知らないのですが、テレビドラマに出てたようで、20代の独身OLが色々と迷いながら生きている…みたいな曲想や詞が多かったです。クソ可愛いところがセールスポイントだったのに、どこにでもいる普通のOL的な言葉を連発してしまったから、僕は興味を失ったのかも…いやいや、アイドルを聴くような年齢じゃなくなってたんだな。
■復帰後 シングルは2000年から2012年まで出てなかったみたいで、芸能界から一度退いてたのかな?復帰後最初のシングルはアレでしたが(^^;)、次の
「T字路」という曲が、外連味がなくてすごくよかった!「大人げないまま、こんな大人になりました」「あなたはこれからどこへ?おんなじ方面ならお供します、途中まで」…この飾り気のなさとユーモア、でも枯れていない感じ、いいですねえ。。私生活で色々あったのかも知れませんが、人間色々ありますからね、そういう中で強くなって、でも優しさも忘れないで、相手を思いやって、でも自分を譲らないで…こういう年の取り方はいいなあ、みたいな。
僕にとってのキョンキョンは、最初にブレイクした「まっ赤な女の子」「渚のハイカラ人魚」「艶姿ナミダ娘」あたり。相当に可愛くないととでも似合わないようなファッションでもいけてしまうルックスと若さゆえのはつらつさ…つまり、歌だけじゃないんだな、みたいな。そういう魅力を最大に引き出せるのは音楽じゃなくて、アイドルの素の状態を引っ張り出せたドリフのコントや、振り付けやファッション込みの視覚を含めての歌番組だった気がします。
でも、大好きな
黄金時代のキョンキョンでもちょっと引くのが歌詞。オッサンくさい詞がかなりあるんですよね…。「ズッキンドッキン」「波乗り」「かわいいヒップ」「なんてったって」…加齢臭がしませんか(^^;)?実際に秋元康や康珍化が作詞してるので仕方ない事ですが、キョンキョンじゃなくておっさんの書いたセリフだと思えてしまう所が、
ユーミンや尾崎亜美がライターだった松田聖子や、
来生悦子あたりがライターだった中森明菜に負けて感じる所でした(^^;)。
最後のシングルが2014年ですから、キョンキョンがシングルを発表する事はもうないかも。だとしたら、シングル曲をすべて網羅したこの3枚組はアイドル歌手小泉今日子としての集大成じゃないかと。曲を聴いているというよりも80年代を懐かしく振り返っているようで最高に楽しくて、最初の2枚は立て続けに3回も聴いちゃいました(^^)。キョンキョンのファンはもちろん、80年代のアイドル文化を楽しんでいた人には必須のCD、よかったです!
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