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『クープラン:3つのルソン・ド・テネーブル ジュディス・ネルソン(sop)、クリストファー・ホグウッド(org) 他』

Couerin_3tuno Lecons de tenebres_Hogwood フレンチ・バロックの巨匠フランソワ・クープランが書いた教会音楽集です。収録は、「3つのルソン・テネーブル(Trois Leçons De Ténèbres)」3曲と、「復活祭のためのモテット」の合計4曲。演奏はオルガンとヴィオラ・ダ・ガンバ。歌唱はソプラノで、ジュディス・ネルソンとエマ・カークビー。1声か2声のどちらかでした。

 音だけの感想は、バッハの宗教曲のようなシリアスさや壮大さは感じず、どこかあたたかく、家庭的といっていいほどに感じました。もしかすると、オルガンがチェンバー・オルガンという事もあるかも。これがいいんですよ!『ルパン三世カリオストロの城』の結婚シーンのオルガンあるじゃないですか、あの質感です。あと、ドイツよりもイタリアに近いというか、半音階的なところや転調がチラホラと出てきて、理論より美しさを優先したようなところも、人間的と感じた理由かもしれません。

 曲について。このアルバムに収録されていた「3つのルソン・ド・テネーブル」(聖水曜日のための聖務日課)は、タイトル通り聖務日課の際に朗誦されるもの。タイトルに「Leçons」「Ténèbres」という言葉が入ってますが、「Leçon」は読誦、「Ténèbre」は「闇」という意味。そういえばダリオ・アルジェント監督の「シャドー」という怖いイタリア映画がありましたが、あのオリジナルタイトルが「Tenebre」だったな。で、なんでタイトルに「闇」が入っているのかというと、もともとのルソン・ド・テネーブルは聖週間の聖木曜日から聖土曜日に行われる聖務日課のうち、深夜に行われるものだったそう。でもって、詩篇や読誦がひとつ終わるごとに、三角形に並べられた15本のろうそくを1本ずつ消していくので、最後は真っ暗になったそうです。だから闇。でも深夜の聖務日課は過酷だったそうで、時代が経ってそれが前日の午後に移されたんだそうです。というわけで、「聖水曜日のための聖務日課」というタイトルだけど、もともとは聖木曜日の深夜に行われてた、みたいな。

 「ルソン・ド・テネーブル」のテキストはすべて旧約聖書の三大預言書のひとつ「エレミア書」から取られています。「エレミアの哀歌」については、カヴァリエーリパレストリーナ作曲のものを聴いたことがありますが、あらためてエレミア書の内容をざっくりいうと、神ヤハウェ(ユダヤ教とキリスト教における神の名前)に従わないイスラエルの民がバビロンに滅ぼされるという預言をエレミアは託されます。それを伝えたエレミアはとんでもない事を言うやつだとひどい仕打ちを受けますが、最終的にエルサレムは焼かれ、イスラエルの民はバビロン捕囚にあうというもの。クープランの「3つのルソン・ド・テネーブル」もやっぱりエルサレムが廃れ、「エルサレム、汝、神に立ち戻れ」みたいな感じなので、たしかに哀歌でした。

 いやあ、良かったです。ひとことでバロックと言っても、地域差や個人差がけっこう大きいんですよね。クープランの音楽はこういう宗教曲ですらちょっと上品に感じるというか、それってフランス・バロック全体に言える事かも知れません。若い頃の僕は、クラシックというと古楽と現代音楽が好きで、クラシックど真ん中の古典派やロマン派はあまり良いと感じませんでした。そしてたしかにこういう音楽を聴くと、若い頃の自分のセンスって実に公平で正しい判断を出来ていたと思わずにはいられません。それにしても、聖務日課の朗誦を東アジアのマンションの一室で聴けるなんて、なんと素晴らしい時代でしょうか(^^)。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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