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『ジョン・海山・ネプチューン / Tokyosphere』

JohnKaizanNeptune_Tokyosphere.jpg 1988年発表のジョン・海山・ネプチューンさんのアルバムです。今度のレーベルはビクター、インスト音楽をリリースしてくれるレーベルを探して渡り歩いているようですが、もうすぐ90年代という事はインストや芸術音楽が聴かれなくなり始めた頃。インスト系や硬派な音楽を目指すミュージシャンは大変だったはずで、ジョン海山さんほど名を売った人でも、その苦労から逃れられなかったのかも。

 『ザ・サークル』も良い音楽でしたが、これはさらに良かったです!僕が聴いたアルバムでは、88年のこのアルバムではじめて、ジョン海山さんが息と楽音のコンビネーションで作る尺八独自の表現をしてきたように感じました。海山さんの音楽を聴いていた頃、僕はまだ琴古流はおろか都山流ですらまともに聴いていなかったものでよく分かっていませんでしたが、いま聴くと「はじめて海山さんが尺八らしい表現と音を出してきたな」と感じた、みたいな。
 呼ばれたらどんなジャンルの音楽にも対応して演奏するプロ演奏家って、「ここまで来たらいちおうプロ演奏家を名乗っていい」みたいな線があると思うんです。ピアノなら、楽譜初見OK、リードシートみてのアドリブOK、モードOK、表現OK、曲中でタッチとデュナーミクで起承転結をつけた構成OK、ぐらいのところまでくれば、いちおうプロと名乗って仕事を受けてもいい、みたいな。逆に言うと、ここまで出来ないとプロを名乗るのは危険すぎる、現場に行って大恥かく可能性あり、みたいな。そういう意味で、それまでは表現は音の並びだけと勘違いしていてもオッケーだったクロスオーバーの範囲だった海山さんが、ついにレベルに来たな、みたいな。言うのは簡単ですが、最近の藤〇〇山さんの演奏なんかを聴くにつけ、尺八でここに到達するのって大変なことだと思います。他流試合で相手の土俵に上がって勝負できるようになるレベルを要求されているようなものですもんね。

 ただ、純粋な芸術音楽かというとそこまでは届いていない感じで、「売れたい!」みたいな気持ちがそうさせるのか、音楽面でガキっぽいところが残っているとは感じました。デイヴ・ブルーベックのテイク・ファイブを尺八で吹き始めたりね (^^;)。。たぶん、もうやろうと思えば、気力さえあればそういう音楽を作れる技術はある所まで来ているんでしょうね。あとはそういう音楽に挑む視点に来ているかどうか、みたいな。
 実際この後、海山さんはもっといい音楽を作って、新作が出るたびに純音楽としての価値を高めていったように感じるので、来ていたんだと思います。でも海山さんの話はずいぶん長くなったので、その先の話はまたいつか(^^)。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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