
プレステで発売された
銀河鉄道999のゲームです。内容は、自分が主人公の哲郎少年になり、謎の美女メーテルと一緒に銀河を走る列車に乗りこんで宇宙を旅し、旅の目的を果たすというもの。紙芝居型ではなく、3D空間をポリゴンのキャラクターを動かして進めていきます。
映画、テレビアニメ、コミックなどなど、銀河鉄道999のストーリーを体験できるコンテンツはたくさんありますが、僕がその中でふたつ選ぶとしたら、劇場版銀河鉄道999の1作目とこのゲームです。このゲーム、原作やテレビアニメでは不可能な事を達成してるんですよね。そこが本当に素晴らしかった!
このゲームで素晴らしいと思った点が3つあります。ひとつ目は、このゲーム用に新たにアニメーションが書き下ろされていること。この絵、きっと
松本零士さん本人が書き下ろしてるのだと思いますが、映画やテレビアニメの絵より奇麗なんですよ!しかも、量が多かったです。ゲームが好きじゃなくても、999ファンならこのアニメ部分だけを見る為だけでも買いじゃないかと…ゲームを解いたところまでしか観れませんけどね(^^;)。
ふたつめは、
ストーリーが原作や映画と似て非なるものであること。そしてそれが本当に良いアイデアと思いました。だって、原作とまったく違ってしまったら、「これは999ないだろ」と思ってしまいそう、かといって同じだと原作をなぞる事になってしまって、ゲームとして成立しなくなってしまいます。似て非なるものとしたことで、原作の面白さとゲームへの興味を維持する両方を達成できていると感じました。すばらしい!

最後に、
自分が999の世界にいる人間としてのめり込める事!これは作品の完成度どうこうではなく、ゲームという媒体が持つ特徴です。僕は999という作品が大好きでしたが、それでも漫画でも映画でも、その世界に自分がいると感じたことはなく、あくまで傍観者でした。ところがゲームという媒体だと自分が主人公を操作する事になるので、自分がその世界にいるように錯覚できるんです。傍観者として眺めていた時よりもワクワク感が半端ないのです!
たとえば、地球を離れて999に乗って銀河に飛び立つとき。漫画や映画ではそれを眺めるだけでしたが、ゲームだと本当に汽車に乗って宇宙へ出るんだ…みたいな高揚感が!しかもこの旅は観光旅行ではなくて、今までの自分の人生とはまったく違う世界へ飛び出す決断で、その先には夢に満ち溢れています。こんなの、ワクワクするに決まってるじゃないですか!
ほかにも、乗車パスを盗まれて他の星の4畳半のアパートでメーテルと暮らすことになったりするのですが、これは傍観者の立場から眺めるのと自分の体験と感じるのとでは大違い。まったく違う人生を生きているような感覚でした。夢のある魅力的なSFの世界に当事者としてかかわる楽しさですね。
そしてこのゲーム、クリア後もまだメーテルと一緒に銀河鉄道で旅を続けるような終わり方をします。
リアルだと人間はいずれ死んでしまうので、永遠という描写はヴァーチャルだけに許されている幸福です。未知の世界への夢と希望に満ちた旅が永遠に続く、みたいなロマン派的な世界観に泣けました。
古いゲームなので、今の人がやったら「ポリゴンがひどい」とか、「戦闘になるたびにロード状態になるのがかったるい」とか、不満を感じるところは多々あると思います。でもインベーダーの時代からリアルタイムでテレビゲームと共に育ってきた世代の僕にとっては問題なし。今、このゲームを手に入れることが出来るかどうか、あるいは皆さんがプレイできる環境を持っているか分かりませんが、もし999のファンの方なら、このゲームはおぜひやってみて欲しいです。いや~これをやっている時はずっと夢を体験させてもらっている感覚だったなあ。。
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