63年発表、フォークシンガーのボブ・ディランのセカンドアルバムです。大名曲「Blowin' in the Wind 風に吹かれて」収録で、デビューアルバムはほとんどカバーだったのにこれはほぼオリジナルという所もポイント高し! ファーストアルバムほどではないですが、フォークとはいえギターの演奏や曲が良いものがあって、音だけでもなかなか聞かせます。また、語るような歌うような歌い方も「詩」「言葉」という感じで見事。そして詩の素晴らしさは言わずもがな。というわけで、自分が良いと思った曲を選んで書き残しておこう、そうしよう。
音楽が良かった曲。僕が好きな曲は3曲です。
「風に吹かれて」、これはやっぱりいい!いいんだけど、なんでこんなに良いと思うのか分からない。さんざん聴いて良さが分からなくなっちゃう曲ってあるけど、この曲はいつ聴いてもため息が出てしまいます。 「Corrina, Corrina」は、帰って来ない恋人に語り掛ける歌、これはメッチャクチャいい!!なんてことない曲にも思えますが、ギターの最初の反復フレーズと歌メロの絡みがが胸にしみるのかも。いい曲だと思ったら、トラディショナルなんですね。 「Down The Highway」は、演奏がうまいというより、ギターのアレンジと歌の絡みが良かったです。これはアレンジのアイデア勝利といった感じ、いい!
詩が良かった曲。これも心に残ったものが3つありました。
「北国の少女」。淡々としたギターのアルペジオと、少し乾いた詩の絡みがいいです。友人が旅をするので、ついでにそこに住んでいる女性の様子を見て来てくれるように頼みます、その人は、昔自分の恋人だった人…あたたかくも淡々としたギターに合わせてそんな詩を読まれたらもう。。 「ボブ・ディアランの夢」、これは帰って来ない人生最良の時の郷愁。「古い薪ストーブのそばに帽子をかけて、語って歌って、満足しきっていた」「歳をとる事なんて考えてもいなかった、いつまでも愉快に座っていられると思っていた」「善悪を決めるのは簡単だった、そんな俺たちのたびが砕けるなんて」「もう一度あの部屋に座りたい、といっても無理だ。一万ドルでも投げ出すよ、あんな生活が出来るのなら」。ああ、年を取ってから聴くと胸に響く…。 「Masters of War 戦争の親玉」は、ボブ・ディランの代名詞のひとつのプロテスト・ソング。戦争を起こしている国の指導者を揶揄した歌ですが、聴いていて考えさせられるのではなく、スカッとするんです。なんでだろうか…戦争を起こしている人に「人をだまそうとしているが、あんなの頭の中は透けて見えてるぞ」「金がそんなにいいのか?死ぬ時にその金を全部払っても魂は買い戻せないぜクズ野郎」「イエスさえあんたのやる事は許さない」と言葉を浴びせるから、スカッとするんですね。原爆落とされてから100年と経ってないのに、もう戦争をやりたがってる日本の誰かにも聞かせてやりたいぜ。日本の政治家はボブ・ディランでもききやがれ、胸にグサグサ来るはずだ。