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Category: CD・レコード > サントラ etc.   Tags: ---

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『武満徹 映画音楽① 小林正樹監督作品篇』

Takemitsu_EigaOngaku1.jpg 武満徹さんの映画音楽集、第1集は小林正樹監督作品集。音楽の前に、「怪談」も「切腹」も、小林正樹監督の映画自体がまず素晴らしいので、観たことのない方は視聴をお薦めします!というか、戦争直後の48年あたりから60年代までの日本のモノクロ映画のクオリティの高さは半端じゃない、エンターテイメントなハリウッド映画とはやってる事のレベルが違います。そして、それらの映画が持っている独創性にひと役買っているのが、明らかに音楽。音響の構造化には無頓着、でも和声では世界有数の色彩感を誇る作曲家である武満さんの本領が発揮できるのって、実は映画音楽なのかも。

 僕的なこのCDのツボは、「怪談」と「切腹」の音楽でした。特に、最初に入っている27分におよぶ「怪談」のサントラがいきなり強烈!吹雪の音と音楽が見事に溶け合っています。そして、琵琶音楽や篠笛などの邦楽器の演奏がカッコいい。この琵琶の音楽は武満さん作曲というより、薩摩琵琶の手そのままなのかな?エフェクトされた読経もカッコいい。ちなみにこの音楽、まだ音楽賞のなかったカンヌ映画祭で絶賛されて、審査員たちが「この音楽に何か賞を与えないと」と、あわてて特別賞を作ったんだとか。そうされて当然の音楽じゃないかと。

 「切腹」、これも凄く良かったです。武満サウンドをした緊張感ある弦楽の和弦から琵琶になだれ込んでいくところがいい!

 「燃ゆる秋」「からみ合い」「日本の青春」「化石」は、けっこう普通の映画音楽。なんというんでしょうか、60年代の日本のテレビドラマで流れてそうな、メランコリックなヤツです。でも時代が時代なので、今ではちょっと聞く事の出来ない感じの音で、いい意味で時代を感じて良かったです。でもこういう音楽だけだったら、僕はこのCDを取っておかなかったかも(^^;)。

 映画には絵にあった音をつける、そこに日本的な色彩を持つ独創的で前衛的ですらある鋭い音を用意する。同じもののバリエーション違いの大量生産となっている今の映画とはまったく違う独創力があった戦後から60年代までの日本映画の凄さって、ひとつには音楽にあったと思います。僕はリアルタイム世代ではないですが、モノクロ時代の日本映画という強烈な文化を知る事が出来で幸せでした。一生手放さないCDシリーズに余裕で入選です(^^)。。

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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