後者に関して言うと、たとえばジャズやフラメンコのギター教本だと、けっこう上級のものに行ってもルート音を基準に、スケールに応じた位置関係が示されてますよね。ジャズギターは「ずらせばオッケー」、フラメンコはクラシックみたいに組織化してあるんですが、長が変わるとカポで対応して同じ組織を使う。こういうやり方をするので、ギター上でバスとメロディと和声のアンサンブルを完成させたように書かれた曲に対しては非力。 もし仮にジャズギターのあのダイアグラムでC Major を5弦3フレットを起点に上方展開して弾くと(つまり2‐5フレット、指が長い人なら3-7フレット)、オクターヴ分を弾ききることが出来ずにラで終わります。ではあとふたつのシとドは1弦を伝って弾くのか?いや、もっと早い段階でポジションを変えてないといけないんですよね。こういった固定ド&ポジション移動の絶対組織は、僕は他のギター音楽では学ぶ事が出来ず、クラシックではじめて知ることが出来ました。少なくとも僕は、指や弦をどこでどのように入れ替えるか、これはクラシック・ギターに手を出してなかったら一生身につかなかった気がします。