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Category: CD・レコード > クラシック   Tags: ---

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『バルトーク:弦・打・チェレスタのための音楽、ディヴェルティメント、中国の不思議な役人 ショルティ指揮、シカゴ響』

Solti_Bartok_Gencele.jpg 近現代のクラシックの作曲音楽って、途轍もない傑作がひしめき合っている気がします。そのオリジナリティ、目指すところ、作曲作品としての完成度…どれをとっても神憑りというもの凄いものがあります。メシアンの「世の終わりのための四重奏曲」、ストラヴィンスキーの「春の祭典」、それらに並んで忘れられないのが、巨人バルトークの大傑作「弦楽器・打楽器・チェレスタのための音楽」です!この曲の暗鬱な、しかし激しい、そしてもの凄い絡み方をするアンサンブルは、世界が大戦で燃え尽くされる前の不穏な世相を反映しているかのようです。特にすごいのは第1楽章、5声にも達する巨大なフーガなんですが、リズムがずれていって最後の最後に元に戻るこの構造で、フィボナッチ数が使われてるそうです。クライマックスでカノンを抜けてフォルテッシモになる瞬間のゾクゾク感も半端じゃないです。これぞ音楽、深みがハンパじゃない。

 バルトークはハンガリー出身の作曲家で、もうこの出自の時点でクラシックのメッカであるヨーロッパでは傍流に組み込まれてしまう運命にあったんじゃないかと思います。しかし、それが故にこれほどのオリジナリティ豊かな音楽を生み出すことが出来たともいえるんじゃないかと。ハンガリー土着の音楽を研究し、それとドイツを中心としたクラシック音楽との差異との間に、音楽それそのものの根本にあるものを見出してしまう…そんな凄みを感じさせる人です。大名曲が故に、色々と評判のいい名演が残っているのですが、このショルティ指揮・シカゴ響の暗鬱でドシンと腰の据わった演奏は、この曲の持っている本質を突いた演奏に思えて、大好きなのです。すごいですよ、これは。。また、「中国の不思議な役人」という、風変わりなパントマイムのための曲も入っているのですが、これは弦チェレよりけっこう前の作品で、機能和声を使ったロマン派音楽の域を出てないです。でも、、シナリオが物議を醸して上演不能に陥ったものなので(ちんぴらが少女に客をひかせて、連れ込んだ男から金を巻き上げて殺してしまうというもの)、不穏なムード漂うのも当然かと。機能和声による調音楽と前衛のはざまにあった時代の音楽は、保守すぎず前衛すぎず、音楽として最高にバランスが取れたところにある最高の音楽なのではないかと思っています。


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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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