
70年代の
ZZトップを最高と感じている僕が、なんで71年のこのデビューアルバムはあまり聴かないのか。聴いてないわけじゃないし、悪いアルバムとも思いません。ただ、2nd
『Rio Grande Mud』から5th
『Tejas』までが素晴らしすぎました (^^)。
セカンド以降しばらくの素晴らしすぎるZZトップと何が違うのか…3つあって、まずは勢い。60~70年代のロックバンドのファーストアルバムでたまにある事ですが、ファーストアルバムは異常に演奏が丁寧で、音楽が止まっちゃってます。3曲目「Squank」なんて、セカンド以降で演奏してたら、もっともっと爆発的でかっこいい演奏をしてたんじゃないかと。ギターもベースもメゾピぐらいのタッチ、これじゃ勢いなんて出ないですよね(^^;)。
キャプテン・ビーフハートも
グランドファンクもまったく同じ失敗をしてますが、これって別々のブースにアンプを入れて、ヘッドフォンつけて演奏するスタジオ録音に慣れてないんじゃないかと。
次に、録音。音がスッカスカ、古くせえ(^^;)。グランドファンクのデビュー作の音のしょぼさほどではないですが、それでもこれだけスカスカにすると音楽にならないっす。テクニシャンやエンジニアがダメだったんじゃないかと。
さいごは、ヴォーカル。ZZトップって凄まじいギターが目だちがちですが、実はベースの
ダスティ・ヒルのヴォーカルがメッチャかっこよくて、ポール・ディアノがヴォーカルだったころのアイアン・メイデン級の迫力。ところがこのファーストは、ギターのビリー・ギボンスがヴォーカル取ってる曲が多くて、これが弱い(^^;)。きっとこの点に気づいて、セカンド以降はダスティ・ヒルとのツイン・ヴォーカル色を強めたんじゃないかと。
というわけで、このファーストが弱い理由のうちふたつは、本人たちじゃなくてディレクターやエンジニア。もしファーストが、スタジオレコーディングにもう少し慣れてたり、ライブ録音だったりしたら、最初からドカンと行けたかも。まだスタジオ録音に慣れていないロックバンドのデビューアルバムは、こういう所がむずかしいですね。
*追記:ブログ友達さんから書き込みをいただきまして、その返事をマジメに書いたら、このアルバムをもう少し分かりやすく説明できたかもしれないと思えたので(^^)、以下に転載させていただきます!
「ビリー・ギボンズって、ZZトップの前にムーヴィング・サイドウォークスというバンドにいましたよね。このアルバムって、サイドウォークスからZZトップへの移行期ぐらいの音楽に感じます。ハードブギ―にしてリズムを単純化するかわりにノリと勢いを強烈に。ギターはスリーピースバンドの音の薄さをつぶすためにファズをかけまくっていくつかの音が重なるリフを作る。ヴォーカルはふたりともクリーントーンは捨ててハスキーにして、重心の低いオケに対してヴォーカルをハイノートでヒットさせて…みたいな、「これぞZZトップ」みたいなはっきりしたディレクションがまだ確立できてない、みたいな。」
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ただ、これこそアメリカンロックなんだろうなあと