
アホで申し訳ないんですが、ルネサンスって近世ですよね?そして中世ヨーロッパって5世紀から15世紀ぐらいの時代区分ですよね?でもルネサンスって14世紀から16世紀ぐらいですよね?じゃ、ルネサンスって近世じゃなくて中世の場合もあるんじゃ…ここがいつも分からないです(゚ω゚*)。そしてこのCDも混乱してしまいました。中世であるルネサンス音楽なのか、中世音楽とルネサンス音楽なのか…まあいいか、クラシックだと、中世とルネサンス期の音楽をまとめてアーリー・ミュージックと呼んでるし(^^;)。
いつぞや古いジャズに関して、「
デューク・エリントンや
チャーリー・パーカーまでは遡りやすいけど、その前になると突然遡りにくくなる」みたいな事を書いた事がありました。これがクラシックの場合、バロックまでは遡りやすいけど、その前になると急に霞がかってくる事態に、僕はなってしまうのでした。子供のころ、親にせがんで「クラシック音楽事典」というとんでもなく分厚い本を買ってもらったんですが、そんな百科全書のような本ですらバロック以前はまったく触れられていなかったのです。そこで僕は古楽の本を買って独学で遡ったんですが、これが文字ばっかり飛び込んできて、肝心の音を聞く事がなかなか難しい(>_<)。でも少しだけ分かったのは…
ルネサンス音楽は、今のオランダ・ベルギー・北フランスあたりの地域に、ブルゴーニュ楽派とフランドル楽派という一大勢力を生み出した事。この両楽派を合わせてネーデルランド楽派なんて呼ぶ事もある事。ここに所属する大作曲家に、デュファイ(ブルゴーニュ楽派)、オケゲム、ジョスカン・デ・プレ、ラッスス(フランドル楽派)がいる事。これとは別に宗教音楽や吟遊詩人の歌を含む世俗曲の流れがあって、宗教音楽はローマ・カトリック教会で歌われていたグレゴリオ聖歌が後の西洋音楽に影響を与えている事。ルネサンス期になるとイタリアにパレストリーナという作曲家が優れた宗教音楽をたくさん書いた事…まあ、こういうザックリとした整理だけは出来ました。でも、この枠に入らないものは、今も混乱したまま先送り(^^;)。
さて、ようやくたどり着きました、このCDについてです。CDのどこにも書いてませんが、これは
アーリー・ミュージックを専門に演奏するウェルガス・アンサンブルがリリースしてきたアルバムのオムニバスです。中世・ルネサンス期のヨーロッパ音楽を手っ取り早く聴けるというだけでもありがたい1枚…ですが、
このCDの特徴は、先ほど挙げたルネサンス期の大有名な作曲家の作品を避けている事です。これが僕にとっては都合がよくて、ラッススやパレストリーナのような有名作曲家を掘り下げていったとしてもダブらない (^^)。逆にいうと、これを聴いて中世・ルネサンス音楽のかたづけてしまおうと思うと、有名作曲家の曲をひとつも聴けないまま終わるので注意。80年代アイドル歌謡のオムニバスに松田聖子もチェッカーズも入ってない、モダンジャズのオムニバスにマイルスもコルトレーンも入ってない、みたいなものですから(^^;)。音楽はバラエティに富んでいて
、スペインの女子修道院に残る写本の歌(12~14世紀)、フランスの一地方の領主が音楽かに書かせた曲(14世紀後半)、写本に残されたミサ曲の一部、器楽、フランドル楽派ゴンベールやデ・ローレの曲なんかが入ってました。今回、久々に聴いて感じたことは、中世の曲が入ってるのがこのCDの価値なんじゃないかと思いました。というのは、15~16世紀のルネサンス音楽のCDは他にもいっぱい出てるんですが、12~14世紀の中世の音楽って、とつぜん数が減るんですよね。
最初にきいた時に印象に残ったのは、現代の音楽に比べてとにかく美しかった事。古楽というと、未完成の古い音楽という印象を抱いていたのに、様式として既に完璧なんじゃないかと思ったんですよね。様式について知る事が出来たのは、このCDを聴いたずっと後の事でしたが、厳密にシンメトリックを構成している曲もあって、これは相当な作曲技術がないと書けないんじゃないかと恐れおののいたのでした。中世からルネサンスのヨーロッパ音楽って、僕は世俗曲でも宗教曲でもつまらないものに出会った事がないですが、これも凄いわ美しいわで見事だった!でも…外堀を埋めるようなCDなので、中世音楽をある程度聴いてから手を出した方がいいCDかも知れません(^^;)。
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