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Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

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『土岐英史カルテット / TOKI』

TokiHidefumi_Toki.jpg 先々月(2021年6月末)、サクソフォニストの土岐英史さんが亡くなったそうです。土岐さんをジャズのサックス奏者と認識している人って、どれぐらいいるのでしょうか。山下達郎さんや吉田美奈子さんや竹内まりやさんのアルバムで艶っぽくサックスを演奏しているセッション・ミュージシャンと認識している人の方が多いかも。だって、そういうアルバムの方が多いですし、ポップスで聴かせたソロがこれまたとんでもなく素晴らしかったですもんね。ところが実際には王道を行くジャズ・サクソフォニスト。これは1975年にスリー・ブラインド・マイスから発表されたリーダーアルバムで、恐らく土岐さんの処女作です。メンバーは、渡辺香津美(g)、井野信義(b)、スティーヴ・ジャクソン(dr)…すげえ、新人の処女アルバムとは思えない豪華さです。

 モード、スタンダード調、そしてオーネット・コールマンのナンバーなど、バラエティに富んだ内容でした。モードはフレーズを含め、相当にコルトレーン。コルトレーンが一気に「バラバラバラバラバラバラ…」って吹くときがあるじゃないですか、あれも見事に消化していました。あまりに見事な演奏なもので当たり前のように聴き入っていましたが、考えてみたらアルトサックス奏者なのに持ち替えてソプラノを吹いてこれってすごくないかい、な~んて思いました。あと、曲によっては渡辺さんがエフェクターを使ってふわふわとして音を出しているのでフュージョンっぽくきこえるところもありましたが、サックスはムードに走らずあくまでアドリブの実力勝負。カッコよかったです。

 日本のジャズミュージシャンって、どんどん食えなくなっていきました。それは僕がはじめて末席を汚させていただいた時に痛感させられたことで、「ええ~、あんなすごい人でも学校の先生やポップスの仕事やらないと食えないのか」みたいな。本当は本筋だけやって生きていられれば良かったんだろうけど、これだけの演奏をする土岐さんですらポップスの仕事をしないと生きてはいけず、他界した時の新聞記事にも「あの山下達郎さんが信頼を寄せた」と書かれてしまうぐらいに、本業での実力を知られていませんでした。でも数少ないチャンスに土岐さんが発表したアルバムは名作が多く、今でも聴く価値がある、日本のジャズ史に伝え残して欲しいと思う名プレイヤーと思います。

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Comments
土岐英史さん 
土岐英史さん、何か書きたいと思っている内にしばらく過ぎてしまいました。
正直、山下達郎とのコラボ以外のリーダーアルバムは、今、初めて聞きました。
高1の時に夢中になって聞いたコルトレーンに似ていると思ったのですが、やはりそうなのですか。若手時代の香津美サウンドが懐かしい。

The Good Lifeは、完全に洗練された大人の音で、こちらはLPで聞きたいですね。
1:00 A.M.は山下達郎バンドに通じる、フージョンポップ。
なんでも出来てしまう人だけに、初めて聞いた『土岐英史カルテット / TOKI』良かったです。
Re: 土岐英史さん 
AKISSH さん、書き込みありがとうございます。

そうなのですよね、バイトでやっているポップス系の仕事が有名すぎて、本業のジャズが聴かれていないのは、ファンの僕としてはちょっと残念なことです。とかいって、土岐さんもリーダー作で思いっきりクロスオーヴァーでポップな作品を作っていたりするので、そういうものも好きだったんでしょうね。このへんの感性は、フュージョン全盛期をリアルタイムで過ごした人独特のものかも知れません。

厳しい残暑が続きます。どうぞ、体調に気をつけてくださいね!

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Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

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