fc2ブログ

心に残った音楽♪

おすすめCDの紹介のほか、本や映画の感想などを (*^ー゜)v

 

Category: CD・レコード > ジャズ   Tags: ---

Response: Comment: 0  Trackback: 0  

『土岐英史 / The Good Life』

TokiHidefumi_GoodLife.jpg 1993年録音、土岐さんのワンホーン・カルテットのアルバムです。メンバーは土岐英史(a.sax)、大石学(p)、坂井紅介(b)、日野元彦(dr)。若い頃の愛聴盤で、心の底から震えました

 スリーブラインドマイス『TOKI』の18年後となる演奏ですが、それだけの年輪を感じさせるというか、音楽がものすごく大人になっていて、痺れました。『TOKI』だって日本人ジャズの隠れ名盤と言っていいぐらいに素晴らしかったんです、楽器持ち替えたり、フュージョンやったりスタンダードやったりモードやったり、とにかく果敢にチャレンジしていく感じで。ところがこのアルバムはアルト一本、すべてバラード、アコースティック一直線…奇をてらったものはすべて排除して、楽器の出音と表現だけで勝負。僕がこのアルバムをはじめて聴いた時はまだ20代でしたが、「ああ、大人になるってこういう事なんだな」な~んて思って、本当に参ってしまったんですよ。1曲目「The Good Life」のテーマ部分のアルトの移りゆく表情だけで、涙が出そうになってしまいます。色んな音色を使い分け、アーティキュレーション、こういうのを聴いてしまうとシンセや打ち込みがいかに貧しいかが分かってしまう。。
 サウンドと表現の素晴らしさは土岐さんだけじゃなくて、メンバー全員がすごい。トコさんのライドシンバルをゆるく「パーン」って撫でるサウンドなんて、どうやったらこんなにいい音が出せるのかと思うほど。

 久々に聴きましたが、感動はまったく同じ。今にして思うのは、実は録音がすごいんじゃないかという事です。ジャズのバラード集だと、コルトレーン『Ballads』とかマイルス『My Funny Valentine』とか、色々あるじゃないですか。そのへんのクラスになると演奏を比較する事にはあまり意味がなくて、みな素晴らしいんですよね。このアルバムもそうしたアルバムと肩を並べる名演と思いますが、違うのは録音の良さ。特にドラムとピアノの素晴らしさは50~60年代のジャズ録音にはありえないもので、ものすごい立体感とクリアなサウンド、それでいてすごく太くあったかい音なのです。これはプロデューサーとエンジニアが大ファインプレーですね…。
 若いミュージシャンにはとても演奏できそうにない音楽、すばらしいジャズ・バラード集でした。土岐さんはそこまで知名度は高くないですが、表現力も高くハートのある演奏をする見事なジャズ・ミュージシャンだったと思います。

関連記事
スポンサーサイト




Comments

09 2023 « »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - - 1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
プロフィール

Bach Bach

Author:Bach Bach
狭いながらも居心地のいい宿で、奥さんとペット数匹と仲良く暮らしている音楽好きです。若いころに音楽を学びましたが、成績はトホホ状態でした(*゚ー゚)

ずっとつきあってきたレコード/CDやビデオの備忘録をつけようと思い、ブログをはじめてみました。趣味で書いている程度のものですが、いい音楽、いい映画、いい本などを探している方の参考にでもなれば嬉しく思います(ノ^-^)ノ

月別アーカイブ
検索フォーム
これまでの訪問者数
最近気になってるCDとか本とか映画とか
ロシアとウクライナがほぼ戦争状態に入りましたが、僕はソ連解体後のウクライナについて本当に無知…。これは2016年にオリバー・ストーン監督が作ったウクライナのドキュメンタリー映画。日本語字幕版が出たらぜひ観たい このブログをYoutube にアップしようか迷い中。するなら作業効率としては早いほど良いんですよね。。その時にはVOICEROIDに話してもらおうかと思ってるけど、誰の声がいいのか考え中
アド
ブロとも申請フォーム
QRコード
QR

Archive

RSS