
1980年制作、
千葉真一主演のテレビ時代劇です。小学生の頃、夕方にやっていた再放送を夢中で見てました。時代は天下泰平の江戸時代。戦国時代には大活躍した伊賀忍者も、この時代には世を忍ぶ影の存在になっていました。しかし、甲賀忍者との対立や様々な陰謀が起き、伊賀の頭領・服部半蔵が動き出します。
僕がまだ小学生でアホだった事もあるでしょうが、このドラマに魅かれた一番の理由は、千葉真一さん扮する忍者のカッコよさでした。世代的に千葉さんが男性俳優ナンバーワンのブロマイド売り上げだったアイドル時代も知らなかったし、「
仁義なき戦い」もまだ見てなくて、恐らく影の軍団が千葉さん初体験。
声は渋いしルックスはいい、そしてアクションシーンは見事。若い男には出せないオッサンの男の渋さにしびれました。バラエティにも出るようになった今だったら「ええ?千葉真一?」なんて言われちゃいそうですが、当時はマジでカッコよかった。
もうひとつ好きだったのは、逆境に立たされ、それでも戦うヒロイズムでした。伊賀の忍者は社会の影に潜んで、江戸で他の職に身を隠しながらひっそりと暮らしています。それでも甲賀に狙われ、あらぬ罪を被せられ…と、逆境につぐ逆境。それでも歯をくいしばって耐えるんですが、最後は怒って敵と戦う、そうするとめっちゃ強い!いや~、本当は強いのに正義や平和のために耐えるという構図がたまらなく良かったですねえ。
このドラマは
悲劇的なストーリーが多くて、そこもグッと来ました。最後にさっそうと大活躍というだけじゃなくて、悲しみの果ての戦い、みたいになるんです。同じ伊賀者同士で殺し合いをしなければならなくなり、半蔵が幼馴染を切るという話があったはずですが、それで殺された伊賀者は死ぬ前に「半蔵、伊賀を頼んだぞ」と言って死んでいくんですよ…。服部半蔵のまわりには仲間の忍びがいるんですが、これが物語が進むにつれ、一人また一人と死んでいきます。また、服部半蔵のもとに送られた甲賀の女間諜が、半蔵の人柄に魅かれ、抜け忍になり、そして…いやあ、悲劇はこのドラマの魅力だったと思います。
あ、そうそう、忍者ものと言っても「分身の術」みたいな現実離れした描写は無くて、あくまで剣術や手裏剣なんかの現実的な描写だったのも、子どもの頃に気に入った要因だったかも。
今にして思えば、僕にとっての忍者って、この「影の軍団」と漫画「サスケ」でイメージが出来たと言っても過言じゃなさそう。
サスケでは甲賀忍者が主人公で、伊賀の服部は敵なんですが、このドラマは逆。サスケを見ていた幼少時は「伊賀はむかつく。半蔵とか最悪」と思ってたのに、このドラマでは逆。争いなんて、どっちにも言い分があるもんなんだなと悟って少し大人になった、小学校高学年の頃の僕でした(^^)。
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