『影の軍団』とほぼ同時期に見た、千葉真一さん出演作です。滝沢馬琴の書いた「南総里見八犬伝」は江戸時代の大ベストセラーだったそうですが、全106巻…売れると引っ張りまくるのは日本映画やマンガだけじゃないんだな、江戸時代から日本のお家芸だったのか (^^;)。。里見八犬伝は3度も4度も映画化されてますが、これは1983年の角川映画版で、
薬師丸ひろ子さんと真田広之さん主演。この映画には個人的な思い出がありまして、小学生の時に、姉と二人で観に行ったんですよ。姉だって子供でお金がないだろうに、映画を観た後にマクドナルドでハンバーガーを奢ってくれたんです。ちょいと短気で喧嘩もよくしたけど、やさしい姉だったなあ。
江戸時代、城ごと滅ぼされた一族が魔物として復活し、自分たちを滅ぼした里見一族に復讐を始める。ほぼ全滅した里見だが、姫であった静姫(薬師丸ひろ子)だけはかろうじて生き残る。彼女の元に剣士が集まって姫を守るが、8人目の剣士はなんと… 小学生のころに観た時ですらチープだと思いました。役者は千葉真一に夏木マリに志穂美悦子に…これだけのキャスティングをしておきながらつまらないのは、制作サイドに問題があったんじゃないかと。チープさは大道具や音楽など、至る所ににじみ出ていました。
城のセットなんて、昭和の仮面ライダーの敵アジトみたいで、じつに発泡スチロールっぽい(^^;)。83年というと
スーパーマンもスターウォーズもとっくに公開されていた頃で、「洋画に比べると邦画はなあ」って感じちゃいました。

音楽も安っぽかったです。「音楽監督NOBODY」とクレジットされてましたが、NOBODY って
矢沢永吉さんのバックバンドだったふたりですよね。NOBODYは好きですが、なぜロックの人に管弦のスコアを書かせたんでしょう、中学生が人生で初めて書いた管弦楽みたいなオーケストレーション、これは辛い…。録音もチープで、弦なんてファーストヴァイオリンが6人ぐらいしかいないようにしか聴こえない、フルートに至ってはシンセで代用したように聴こえるぞ…。
これだけ言っておいてなんですが、当時は面白く感じるところもありました。特撮でいうと、すべてが駄目というわけでなく、最後の
魔城が焼け落ちるシーンは『怪奇大作戦』の寺が燃え落ちる回に匹敵するほどの出来栄えで一見の価値あり!あと、萩原流行が2枚目でないととても務まらないような役をいっしょうけんめい演じているのですが、どうみてもカッコよくない、これは京本正樹と役を入れ替えた方がよかったんじゃないか…な~んて突っ込みを入れながら観るのもそれはそれで面白かったりして。姉と観に行ったという思い出補正が強いから、どこかで擁護したくなるのかも知れません(^^;)。
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