
ポーランドの音楽で僕がまっ先に思い浮かべるのは
ショパン、以下
シマノフスキ、
ペンデレツキ、
ルトスワフスキ、グレツキあたりのクラシック系は思いつきますが、ポピュラーや民族音楽は全然知りましぇん。ポルカがポーランドの踊りという事ぐらいかな?国のイメージもあんまりなくって、映画
『戦場のピアニスト』で見たポーランドは大戦でボロボロの市街地ばかり、ドイツやロシアに占領された悲劇の国という印象のみ。主要産業すら分かりません。というわけで、このポーランドの民族音楽のCDはワクワクでした!
このCD、ポーランドの音楽をザックリ分けて収録してくれてるので分かりやすかったです。
器楽(M1~7)、日常の歌(M8~12)ざれ歌と踊り歌(M13~15)、抒情的な語り物の歌(M16~19)、民族楽団の演奏(M20~22)、少数民族の音楽(M23~30)。いや~こういう編集が素晴らしい!さすがはユネスコ制作のCDだけある、ポーランドの音楽をこの1枚でひととおり聴けた気がしました(^^)。
器楽アンサンブルは
ポーランドの南部で盛んで、特に山岳地方には優れた楽団が多いらしいです。音楽的にはスロバキア文化の影響(もっと大きく見るとジプシー文化)の影響が強くて、ヴァイオリンやバス・フィドルを使った楽団が多くて、ほかにはバグパイプをつかったものもありました。なるほど、フィドル系の演奏はポーランドというよりバルカン半島一帯に広がるジプシー音楽という事ですね。バグパイプは、ヨーロッパ全体に広がっている楽器なので、これもポーランドというより汎ヨーロッパ的なムードでした。
日常の歌は、無伴奏の歌。歌詞は分かりませんでしたが、「洗濯するぞ~」とか「ネズミが米食っちまう」とか歌ってるのかなと勝手に想像(^^)。いや~こういう素朴な歌って、僕好きなんですよ。あ、ポーランドの
歌はポリフォニーのものはないのが印象的でした。すぐ近くのウクライナやロシア、ドイツ、あるいはバルカン方面はすごい合唱音楽を持ってるのに、ちょっと意外でした。
語り物の歌も無伴奏で、イギリスのチャイルド・バラッドよりもさらにプリミティブ。このCDだとおばあさんとおじいさんみたいな声の人が歌ってましたが、これが味わい深い。。どの国も、田舎の農民の老人はいい歌を持ってるんですよね。
民族楽団の音楽、ここでようやく知っているポーランドの音楽が登場、
ポルカです!これもやっぱりヴァイオリン属の合奏音楽で、楽しげな舞踊音楽でした。でも、少なくともこのCDでは、こういう器楽の方が少なかったので意外でした。むしろポルカみたいな音楽の方が少ない、みたいな。
というわけで、東欧なのに意外にも変拍子の舞曲が少なく、ロシアに近いのに歌が多声ではなく、ポーランドといえばポルカだと思ってたのにああいう舞踊音楽は少なく、田舎の素朴な歌が多かったです。ジプシー系を除いたら、マジで無伴奏の日常の歌しかないのではないかという感じ。でもそれが生活に密着しているように感じられたところは、すごくよかったです。たぶん今はこういう歌も減ってるんでしょうが、エンターテイメントや商音楽でない生活の歌やワークソングって、人が心で思っているウソ偽りない言葉やメロディという感じがして、聴いていてホッとするんですよね(^^)。歌や農作業や家族と一緒に生きて、生まれた土地で死んでいく、みたいな。こういう歌、資本主義グローバリズムに駆逐されずに残って欲しいなあ。
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