
邦題『エルヴィス・プレスリー登場!』、
1956年発表、エルヴィスのファーストアルバムです。ファーストアルバムと言ってもエルヴィスは54年からシングルをリリースしていたので、遅すぎたアルバムデビュー…でも50年代だと情報の広がるスピードってそんなものかも。50年代のアメリカのチャート・ミュージックはシングルが基本だから、アルバムデビューが遅れるとか、そもそもアルバムが出ないなんてことは普通に起きたんでしょうね。CD化の際にシングルやアルバムをうまく整理してくれたものが出るまで、コレクションしている人も大変だっただろうなあ。
1曲目の「Blue Suede Shoues」からいきなり全開、ヴィブラートのきいたロックンロールがカッコイイ!!プレスリー版のこの曲の良さは、サイドギターがアコースティック・ギターである事で、これがカントリー色を出していて、「あ、黒人ロックンロールとは色が違うな」と感じました。ロックンロールばかりじゃなくてカントリー&ウエスタン調の曲、フィフティーズ調、まるでハワイアンのような曲など色々やってるんですが、ロックンロールやロカビリー調の曲がやっぱり抜群にカッコいいと感じました。いやあ、これは一世を風靡するわけだわ。
で、歳をとってから聴いて感じたのは、実はヴォーカルだけでなくギターやドラムももかっこいいな、みたいな。特に
ギターのスコッティ・ムーアがキーマンというか、ギター色の強いエルヴィス的なスタイルのロックンロールって彼の色なんじゃないか、とすら思ってしまいました。さっきあげた「ブルー・スウェード・シューズ」もそうだし、「トゥッティ・フルッティ」のギターアレンジなんて、よくこういうものを思いつくなと感心しきりでした(^^)。初期のロックンロールってジェリー・リー・ルイスやファッツ・ドミノみたいなピアノ主体のものもいっぱいあってギター優位ではなかっただろうに、以降にロックンロール・リヴァイバルが起きるたびに踏襲されるのは、エルヴィス・コステロにしてもストレイキャッツにしてもジョン・スペンサーにしても、みんなスコッティ・ムーア的なスタイル、みたいな。
僕が洋楽をたくさん聴きはじめる前のプレスリーのイメージはロックンロールではなくて
ハワイアン。音楽も古く感じて、ロックの歴史は
ビートルズからだろうと思ってたんですよね。ところが
プレスリーの50年代のロックンロールや70年代のライブを見てビックリ、パフォーマーとしての迫力が段違い、ビートルズやストーンズとは比較するのもおこがましい凄さで、圧倒されました。シングルが基本のアメリカン・オールディーズはコレクションが難しいですが、さすがにこれは名盤確定。
チャック・ベリーや
リトル・リチャードやプレスリーやエディ・コクランのいったロックンロール黄金時代って最高です!
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